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第176話【障子】《藤崎 紅華》 ページ26

「ふふふ…。
姫羅、私今、すごくいいことを聞いた気がするんだが」

「や、やめてよ、紅華!!
冷やかさないでよ!!」

「遂に姫羅にも春が来たんだね!!
おめでとう!!」

入ってきたのは、紅華と姫羅の過激派コンビと、オンリー穏健派の真鈴だった。

「こ、紅華…!!」

咲菜は顔を強ばらせた。
紅華は賢斗と同じく、たまに咲菜に絵を燃やすと脅している。
本人曰く、その時のリアクションがたまらないらしい。

「安心しろ。
別に燃やさないから」

「そういう事じゃなくてね…!!
盗み聞きしてたなんて、はしたないわよ!!」

「堅いこと言うな。
『壁に耳あり 障子に目あり』という言葉を知らんのかね。
それに、盗み聞きは立派な情報収集の一つだと言うことを知らんのかね、ワト○ン君」

「そうやって正当化するのは良くないと思いますよ、紅華先生」

「でも、驚いたよ。
あ、姫羅の事じゃなくて、天野先輩のことね」

姫羅が睨んでくるのに冷や汗をかきながらも、真鈴は続けた。

「まさか、天野先輩が持明院家と関係者だったなんて。
どうりで、様々なオカルトを知っているわけだ」

「ああ。
だが、これで、2つハッキリしたことがある」

そう言うと、紅華はポケットからジップ○ックに入った何かを取り出した。

「何それ?」

子夏が聞いた。

「式符だ。
安心しろ、妖気は抜けている」

紅華はそれを机の上に置いた。

「ここに、梵字で『持明院』と書かれている。
これは持明院家の物で間違いない」

「どこで拾ったの?」

真鈴が聞いた。

「一宮さんの夢の中だ」

「どういうこと…?」

「あの時、外部からの干渉があった。
持明院家の奴らは式神を送り込んでいたんだ。
おそらく、一宮さんを殺すために」

空気が重くなる。

「そして、さっき咲菜が言っていた噂が正しいとすれば、一宮さんを殺そうとしたのは、天野さんということになる」

「そんな…剣夜は優しいのに…」

子夏が悲しそうに呟いた。

「優しいというのは感情論だと思う。
人は、見た目や表の性格によらない場合があるからな」

紅華は更に続けた。

「そしてもう一つ。
今日、弥生が瘴気に当てられたのか発狂した。
これはあくまで推察の域を出ないが、おそらく弥生を瘴気の強い場所へ行くようけしかけたのは天野さんだ。
様々なオカルトを知っているのなら、そんな場所くらい知っていてもおかしくない」

第177話【もしもの時のために】《鈴木 将門》→←第175話【噂】《美島咲奈》



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yoishi@桂じゃない、ヅラだ(プロフ) - 終わりました!! (2017年2月8日 6時) (レス) id: f918b81d30 (このIDを非表示/違反報告)
yoishi@桂じゃない、ヅラだ(プロフ) - 修正します。 (2017年2月8日 6時) (レス) id: f918b81d30 (このIDを非表示/違反報告)
アセロラゼリー(プロフ) - 明咲こよりさん» 申し訳ない!有難うございます! (2017年2月7日 23時) (レス) id: 6b17067a39 (このIDを非表示/違反報告)
明咲こより - アセロラゼリーさん» 余計なお世話だったら申し訳ないのですが、196話の人物の名前はあれで宜しいのでしょうか?余計なお世話だったらすみません… (2017年2月7日 23時) (レス) id: 67d07cb40f (このIDを非表示/違反報告)
明咲こより - 続編を作成しました!【http://uranai.nosv.org/u.php/novel/Syokaii5/】です。パスは変わりません。 (2017年2月7日 21時) (レス) id: 67d07cb40f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:明咲こより+他の参加者様 x他5人 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2017年1月22日 23時

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