【募集企画】怪異探偵部４【小説】 (ページ24)

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第174話【追跡】《藤崎紅華》ページ24

放課後。
紅華と姫羅は、保健室にいる麗菜を訪ねていた。

「女の子？
ああ、そういえば、気を失ってたようで、運び込まれてきたわよ。
早退したけど」

「やっぱりそうか」

と、紅華はあらかじめ分かっていたような反応をした。

「何があったの？」

「実はね、弥生ちゃんって言うんだけど、嫌な感じがしたんだ。
麗奈は何か感じた事無かった？」

姫羅が質問すると、

「うーん、瘴気に当てられたって感じはしたけど、何か強い怨霊とかが取り憑いているって感じじゃ無かったよ」

と、返ってきた。

「そうか…。
ま、麗菜の言う通り瘴気に当てられただけだったんなら、じきに治る。
でも、疑問が一つだけある」

「何故瘴気に当てられたか―でしょ？
あったっけ？
瘴気が充満してる場所」

「…私の知っている場所や、気配のみでは、どこも…。
でも、裏世界とか、そういうのなら別だと思う」

麗菜の言葉を受けて、紅華は唸った。

「裏世界、か。
サイレ○トヒルのやつしか行ったことはないぞ」

「それ、2次元の話でしょ。
ま、私はアニメ好きだから良いけど」

と、姫羅が突っ込んだ。

「ホラーはどうせ別だろ。
これを気にどうだ？
バイオ○ザード7、やってみるか？」

「断る。
眠れなくなったり、夢に出てきたら大変。
怖いって噂だし」

と、あっさり断られた事で、紅華は麗菜に向き直った。

「ま、という訳だ。
ありがとうな。
また異変があったら教えてくれ」

「ええ、分かったわ」

そして紅華と姫羅は保健室を出た。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

二人が保健室を出ると、その部屋の前の近くに臥玖が立っていた。

「臥玖!!
どうしたの？」

と、姫羅は驚いたが、紅華は冷静だった。

「弥生の事か？
アイツなら、早退したって麗菜が言ってた」

と、何もかも見透かしているような目で言った。

「そうですか…」

臥玖はそれだけ言うと、回れ右して歩き出そうとした。
しかし、

「臥玖」

紅華は臥玖を呼び止めた。

「お前の過去を詮索する気なんてさらさら無いし、言わなくてもいい。
でもな、もしそいつがお前の事を心配してくれる奴なら、そいつは大切にしろ」

臥玖の反応は紅華達からは窺えなかった。