【募集企画】怪異探偵部４【小説】 (ページ19)

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第169話【簡単】《鈴木将門》ページ19

「…やぁ。大変そうだね。瑠璃。」

と、扉を開ける

頭がショートしてるところを見るといつも通りだったらしい。

「うー…そういう将門はどうなのよー」

と、机に突っ伏しながら言う

「何時も通り。」

バサッと雑に放り投げる

中学生の問題だ。

大体中学生の問題くらいはもう解ける。

教科書も読み直したしね。

「うおっ、凄いな。殆ど合ってるじゃないか。」

「帰ってからでも一応勉強の時間はあったから。」

と、答える。

実に簡単な物で成績が決まるものだ。

教科書に書かれた事をそのまま答えるだけで僕の中身を評価される。

一種の暗号を解いている気分だ。

「妖怪の能力使ってるんじゃないのー」

と机に突っ伏している紅夏が聞く

「僕の能力はあくまでも【道具の名前と道具の用途】が解る能力だ。」

例えばと言って鉛筆をとる。

「この鉛筆を僕が見たとする。」

鉛筆を回転させる

「今、僕の目にはこの道具の名前が【鉛筆】、用途が【字を書く物】とうつされているだけだ。
だから、テストの答案用紙を見たって答えが浮かび上がって来ない。」

と答える。

「じゃあ教えてよ～。」

と瑠璃が不貞腐れる

「あー、また今度、今日は無理。」

「え？なにか今日予定あるの？」

鉛筆を机に置き

「まぁ、居候に勉強を教えるということがあるから。」

と、答える。

「へぇー男？女？まぁ将門に限って女は…」

「女の子だね。」

と、答える。

何名かの椅子がガタッてなる。

「落ち着きたまえ。」

と、座らせる。

「年は…？」

と部長が訪ねる。

「解らないが…小学生くらいじゃないだろうか？」

更に何名かの椅子がガタッてなる。

瑠璃が唐突に

「…ま、将門が…ロ…」

ぷっつん。

「よし、表出ろ。」

コトリバコの餌にしてやろう。

と、笑顔で言う

「ハイ、スミマセンデシタ…」

と答える。

素直でよろしい。

「よっ、このロr…」

「おーっと、手が滑って頭を強襲ー。紅華？今？何か？不穏な？感想を？もらしたかな？」

「いや、別に私は…」

「も・ら・し・た・か・な？」

と笑顔で言う

紅華は必死で目をそらす

部長が咳をする

「…どうして連れて帰ったの？」

「なつかれました。」

「親はいないの？」

「いません。」

僕はため息をつき

「なにも一緒にいる訳じゃない。彼女が成人するまでは一緒にいるつもりです。拾った以上は仕方ない。」

とこの話を締めくくることにした。