【募集企画】怪異探偵部４【小説】 (ページ12)

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第162話【排除】《藤崎紅華》ページ12

「あんな所に…!!
でも、どうしよう？
僕の腕力じゃ無理だよ…。
それに、電車から出たところに着地出来るのかも疑問だし…」

「そこは、私がなんとかします」

紅華は一宮にそう言うと、手で銃の形を作ると、指の先端に炎を集中させ、弾を放った。
弾は命中し、甲高い悲鳴を上げて、式神は焼け落ちていった。

「これで全部？」

「いや、もっといるだろうな。
どうしようか…」

一宮と賢斗が考え込んでいると、紅華はもう行動を起こしていた。
紅華はパルクールのように電車の壁を登って屋根に行った。

「…」

「…」

その出来事に、二人は唖然としていた。

「…藤崎さん、あんなことも出来たんだね」

「ま、知ってたけどね」

「それ早く言ってよ…」

などというやり取りをしながら、紅華が戻ってくるのを待っていた。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

紅華は電車の屋根に登り、素早く周囲を確認した。

「全部で10体…。
これを手っ取り早くやる方法は…」

紅華は手から炎の羽を放った。
羽は式神に見事に命中し、式神は悲鳴を上げながら落ちていった。
そのうちの1体が、紅華の前に落ちた。
式神は式符に変わり、紅華はこれを拾い上げた。

「梵字で持明院って書いてある…。
ということは、これは持明院家の仕業…。
師匠の言ってた脅威ってこれか？
そういうことなら、持明院の奴らがこの学園にいるってことか。
でも、そんな名字の奴はいないから、関係者か…」

紅華はブツブツと呟きながら考えたが、結論にはたどり着けなかった。

「考えてても仕方ない。
猿夢に溜まった妖気を取り除かなくてはな」

そう言って紅華はポケットに呪符を突っ込むと、降りていった。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

「チッ、もう終わったのか。
仕事の早い後輩だ」

教室にいた天野は、自分のカバンを持つと、教室を出た。