第482話【二色の扇】《泡渕 真鈴》 ページ32
叫ぶや否や、瑠璃は瞳を金色に輝かせ、猫の尻尾と耳を生やした。初っ端からエンジン全開、驚異的な運動神経でミュッツへ走り出す。
一方、真鈴は、ポケットから水の入ったペットボトルを取り出すと、腕にチョロチョロ水をかけた。
「…真鈴の体質って、ボケに特化してるよね」
「走りながら何言ってるの？！そんな発言は謹んで？！メタい！」
ミュッツに向かって大きく跳躍した瑠璃は、華麗な回し蹴りを放った。
ガァンッ
という音が響き、瑠璃の足は見事ミュッツの顔面に食い込んだ…ように見えた。
「…あぁら？女の顔面を狙うなんて酷いことするわね」
「なっ…」
見れば、瑠璃の足はミュッツの両手に握られた何かで食い止められているらしい。
空中で一回転し後方へ下がる瑠璃に、ミュッツは手に持った二つのソレ…赤と青の扇を振る。
何かが飛んできたのは、その次の瞬間だ。
「危ない！」咄嗟に水の弾丸を闇雲に打つと、弾丸は何かと衝突し舞い散る。
「ぎゃあああ！水！水かけないでよ！」
「あ、そっか瑠璃は猫だった」
しかし攻撃方法がこれしかない以上は取り敢えず弾丸を飛ばし続けるしかない。
瑠璃が再びミュッツに向けて蹴りを放つ。ミュッツがかわすが、その先には水の弾幕。夥しいほどの弾丸がミュッツの前に現れた。
「近距離に遠距離、なかなか良いコンビじゃない？でも…」
一閃。水の弾丸を薙ぎ払う空気の刃。
このままじゃ、ラチがあかない。ミュッツは明らかに強い。真鈴が嫌な汗を流し始めた時。
人形のような美女が、ついさっきまで警戒していた人物が現れた。
「エリザベス？！」
「ふふ、まーた可愛い子が増えたわねぇ」
二人を一瞥し、フンと鼻を鳴らしたエリザベス。何と瑠璃と同じく肉弾戦を始めた。
「えええ、ちょ、イメージと違う！」
「人魚、援護しなさいよ？せっかく助けに来てやったんだから」
第一私の体質使ったら世界が滅びるわよ、と付け足したエリザベスと瑠璃の同時の回し蹴りが炸裂。
よろめいたミュッツから飛び退いた二人の間を水の弾丸…というよりはレーザービームに近いものが直進する。
真鈴は例えるならば、かめ○め波のようなポーズをして水を発射する。エリザベスとが吹き出した。
風の刃を作り出そうとしたミュッツは、扇の片方が粉砕されているのに気付く。エリザベスの回し蹴りの勢いは凄まじかった。
残る扇も真鈴の攻撃でへし折れた。瑠璃の渾身の踵落としをまともに受けたミュッツは、よろめいて倒れ、動かなくなった。
第483話【現実】《ラムダ》→←第481話【賽は投げられない】《エリザベス＝リリー＝ランキュヌ》
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 5人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「オリジナル」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
明咲こより - 続編作成完了です。【http://uranai.nosv.org/u.php/novel/Syokaii11/】パスは同じです。予約されていた狩羽様から更新をお願い致します。 (2017年6月10日 20時) (
レス) id: 67d07cb40f (このIDを非表示/違反報告)
黒幕(プロフ) - 元北斗七星です。八尺様が終わり次第復帰(？)させていただきます。皆様更新ファイトです！ (2017年6月10日 18時) (レス) id: e0f7f805ed (このIDを非表示/違反報告)
yoishi@貴様…その刀…(プロフ) - 終わりました!!続編の制作をよろしくお願いいたします。 (2017年6月10日 17時) (レス) id: f918b81d30 (このIDを非表示/違反報告)
狩羽(プロフ) - その次に更新します。 (2017年6月10日 17時) (レス) id: 336f8f7a18 (このIDを非表示/違反報告)
yoishi@貴様…その刀…(プロフ) - 更新します!! (2017年6月10日 17時) (レス) id: f918b81d30 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：明咲こより+他の参加者様 x他3人 | 作者ホームページ：http:/
作成日時：2017年3月29日 9時
