第477話【人魚を嗤う人形】《泡渕 真鈴》 ページ27
糸が切れるように地面に横たわった将門。周りに飛び散る液体。
相当酷い光景の筈なのに、エリザベスは「あらあら、自爆？」と口を歪める。
「鈴木……アレは絶対外道だろ…」
そう言って駆け寄った紅華は、ハンカチで口元を拭ってやると再び将門をおぶって立ち上がる。
「ちょっと、私のことを忘れてない？」
「ああ忘れてたさ」
口を尖らせ不満気なエリザベスを挑発するように、紅華は視線を合わせないまま返す。
その仕草に、エリザベスの何かが切れた。ニヤリと笑った彼女の目だけはこれ以上ない危険な色を帯びている。
「ちょっとだけなら、痛めつけてもいいわよね…？」誰に確認するでもなくそう呟いたエリザベスは、次の瞬間に何かを感じたように紅華の方を向いた。
何もない虚空から刹那放たれた水の弾丸。
それをいとも容易く避けたエリザベスは、「それで隠れてるつもり？人魚と透明人間」と嘲笑う。
紅華の前の空気が揺らぎ、そこに現れたのは…
オレンジ色のバケツを持った澄香と、
髪から水を滴らせ全身びしょ濡れの真鈴だった。
「ぶっ」
その姿に、紅華は耐えかねず吹き出した。エリザベスもあからさまに呆れた顔になる。
「何だそれ、水も滴るいい女？」
「濡れてないと体質が使えないんだってば！」
手をブンブン振り、必死に弁解する真鈴。その隣でバケツを持って突っ立っている澄香。
「ていうかそのバケツの水、そこら辺の池から汲んできた物だ。何が混ざってるか知らないぞ」
「う、うぇぇぇ…」
畳み掛けるような紅華の言葉に、気持ちが悪くなってきた真鈴は、紅華の背中におぶさった将門の青白い顔を見て目を見開く。
そして、エリザベスに向き直って彼女を睨みつける。
「将門に、何をしたの？！」
「そんな怖い目はやめてくれるかしら？私は何もしてないわよ、勝手に自爆しただけ」
両手をやれやれ、というように挙げた彼女は本日３回目となるその言葉を繰り返した。
「面白いことやってるじゃない。私も混ぜてくれないかしら？」
「何言ってるの？」
「な、コイツ頭おかしいだろ？」
「紅華そこまで言うの…？」
そう話し込み始めた三人組。また無視されたエリザベスは、トントンと爪先を鳴らす。イラつき度はピークだ。
「取り敢えず、部長に話しておくさ。今はこっちに三人、いくらお前でも厳しいだろ」
話し合いが済んだのか、さっさと背を向けて歩き出した紅華。真鈴と澄香も後を追う。
残されたエリザベスは、悔しそうな表情を滲ませた。
第478話【狙われる】《泡渕 真鈴》→←第476話【這う虫の王】《鈴木 将門》
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明咲こより - 続編作成完了です。【http://uranai.nosv.org/u.php/novel/Syokaii11/】パスは同じです。予約されていた狩羽様から更新をお願い致します。 (2017年6月10日 20時) (
レス) id: 67d07cb40f (このIDを非表示/違反報告)
黒幕(プロフ) - 元北斗七星です。八尺様が終わり次第復帰(？)させていただきます。皆様更新ファイトです！ (2017年6月10日 18時) (レス) id: e0f7f805ed (このIDを非表示/違反報告)
yoishi@貴様…その刀…(プロフ) - 終わりました!!続編の制作をよろしくお願いいたします。 (2017年6月10日 17時) (レス) id: f918b81d30 (このIDを非表示/違反報告)
狩羽(プロフ) - その次に更新します。 (2017年6月10日 17時) (レス) id: 336f8f7a18 (このIDを非表示/違反報告)
yoishi@貴様…その刀…(プロフ) - 更新します!! (2017年6月10日 17時) (レス) id: f918b81d30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：明咲こより+他の参加者様 x他3人 | 作者ホームページ：http:/
作成日時：2017年3月29日 9時
