第476話【這う虫の王】《鈴木 将門》 ページ26
苦しくも目を開ける
「……誰だ……」
止めろ
痛い
嗚呼、成る程。
お前も敵か
敵は殺さなければ
敵は潰さなければ
そして、その瞳は
朧気に霞んだ敵の姿をしかと捕らえた
死ねと
消えてしまえと
そういう
瞳を向けられても何一つ動じない彼女は曲がりなりにも神なのだろう
故に其が限界だった
《イザヘル・アヴォン・アヴォタヴ・エル・アドナイ・ヴェハタット・イモー・アルティマフ……
イフユー・ネゲッド・アドナイ・タミード・ヴェヤフレット・メエレツ・ズィフラム 》
今まで死にかけの彼の口から詠唱が漏れる
余りの邪道さに紅華も彼を投げ捨てた
《おお、グロオリア。我らいざ征き征きて王冠の座へ駆け上がり、愚昧な神を引きずり下ろさん。 》
それは神に対する否定の意
神を拒否し殺す
《堕ちろ、堕ちろ、堕ちろ、堕ちろ》
《Fuck off foolish god!》
死ねと
この世界に神はいらんと
神は我一人でいい
《主が彼の父祖の悪をお忘れにならぬように。母の罪も消されることのないように 》
延々と呪詛を吐き続け
《その悪と罪は常に主の御前に留められ、その名は地上から断たれるように 》
地面に特大の六芒星が描かれる
その中を見るのも戸惑うくらいの混沌がその中にあった。
《彼は慈しみの業を行うことを心に留めず、貧しく乏しい人々、心の挫けた人々を死に追いやった 》
六芒星の中から羽音が聞こえる
《彼は呪うことを好んだのだから、呪いは彼自身に返るように》
《祝福することを望まなかったのだから、祝福は彼を遠ざかるように 》
彼は無心で唱えている
被害が大きい？
知らん知らん
小賢しいにもほどがある。
俺は俺と俺の大切な者を守るから
それ以外はは必要ない
《呪いを衣として身に纏え。呪いが水のように腑へ、油のように骨髄へ、纏いし呪いは、汝を縊る帯となれ》
来るぞ、来るぞ、来るぞ来るぞ来るぞ来るぞ来るぞ
《ゾット・ペウラット・ソテナイ・メエット・アドナイ・ヴェハドヴェリーム・ラア・アル・ナフシー》
偽りの神
這う虫の王
《レェェスト・イン＿＿＿＿》
その時六芒星が消えた
彼が耐えきれなかったのだ
彼は口から血を撒き散らして倒れた
余りにも強大すぎたがゆえ、満身創痍の彼には耐えきれなかったのである。
そしてそのまま彼は意識を失った。
第477話【人魚を嗤う人形】《泡渕 真鈴》→←第475話【情報会議】《獅子暮 千歳》
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 5人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「オリジナル」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
明咲こより - 続編作成完了です。【http://uranai.nosv.org/u.php/novel/Syokaii11/】パスは同じです。予約されていた狩羽様から更新をお願い致します。 (2017年6月10日 20時) (
レス) id: 67d07cb40f (このIDを非表示/違反報告)
黒幕(プロフ) - 元北斗七星です。八尺様が終わり次第復帰(？)させていただきます。皆様更新ファイトです！ (2017年6月10日 18時) (レス) id: e0f7f805ed (このIDを非表示/違反報告)
yoishi@貴様…その刀…(プロフ) - 終わりました!!続編の制作をよろしくお願いいたします。 (2017年6月10日 17時) (レス) id: f918b81d30 (このIDを非表示/違反報告)
狩羽(プロフ) - その次に更新します。 (2017年6月10日 17時) (レス) id: 336f8f7a18 (このIDを非表示/違反報告)
yoishi@貴様…その刀…(プロフ) - 更新します!! (2017年6月10日 17時) (レス) id: f918b81d30 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：明咲こより+他の参加者様 x他3人 | 作者ホームページ：http:/
作成日時：2017年3月29日 9時
