続 ページ9
｢これで全部か｣
｢はいっ！ありがとうございます!!｣
荷物を片付け終えて一段落する｡
｢…なんでこんなもんテメェ一人で運んでたんだ｣
｢あぁ違いますよ｡最初は二人だったんです｡若い海兵さんと｣
瞬間,ピクリとスモーカーの眉が動く｡
｢………男か｣
｢？はい｡……いやあ,それが聞いてくださいよスモーカーさん！なんとその彼今日プロポーズするって言って!!!｣
｢………はぁ？｣
｢幸せになってくれるといいなぁ｣
ウキウキしながら倉庫から出ていこうとすると棚の上からヒラヒラと何かが落ちてきた｡
綺麗にキャッチするとそれはどうやら海賊の手配書のようで,スモーカーはその手配書を見てまた眉を潜めた｡
｢"麦わら"か｣
｢そうですねぇ｡二年前のですかね,これは…確かこの時の麦わらさんと今の私同い年なんですよね｣
｢知らん｡悪党に興味はねぇ｣
スモーカーがいつものしかめっ面でそういうとふとAはなにかを思い出した｡
｢……………そういえば,こんなお話があるのって知ってます？｣
｢………なんだ｣
｢女の子は"ヒーロー"よりも"ヴィラン"を好きになるってお話｣
全く訳がわからないように首をかしげるスモーカー｡だが手配書を手に持ったままAは続けた｡
｢ヒーローは世界を守る為に"私"を犠牲にするけど,ヴィランは"私"を救う為に世界を犠牲にするから｣
スモーカーの目をまっすぐ見つめてそう言い放った｡スモーカーのその目にはハッキリとAの泣きそうな顔が映った｡
｢オマエも……その方がいいのか｣
なんとなく,なにか,言わなければならない気がしてスモーカーはAにそう問いた｡
｢私は,…………別にどちらでも？｣
｢……は？｣
｢まだ,好きは考えたことないです｣
楽観的な笑顔で笑って見せるAにスモーカーの気が緩んだ｡
でも次の瞬間にはニパッと笑って
｢それに！私はヒーローもヴィランもみんな平等に愛されるべきだと思いますよ｣
｢……何故だ｣
｢ヴィランもきっと"私"の為にやってくれるんだろうけどヒーローだって,元々は"私"が笑っていられる世の中をつくりたくてヒーローになってるんですから｡私と似てます｣
自信満々な表情でそう告げるAに呆れに似たようなものが心の底から湧いて出る｡
あぁそうだ｡オマエは昔から,そんな奴だったよな｡
二人の間を縫うように,何処からか春の風が吹いていった｡
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インク - リクエストです！ロシナンテをお願いします。これからも体調に気をつけて頑張ってください！長文失礼しました！ (7月12日 22時) (
レス) id: a2f12395c4 (このIDを非表示/違反報告)
Syara(プロフ) - 緋歌梨さん» ありがとうございます！頑張ります!! (2023年1月19日 13時) (レス) id: ebcd0fa8e6 (このIDを非表示/違反報告)
緋歌梨(プロフ) - Syaraさん» 大丈夫ですよ！！更新ファイトです💪 (2023年1月19日 13時) (レス) id: be71c26f4d (このIDを非表示/違反報告)
Syara(プロフ) - 緋歌梨さん» ご指摘ありがとうございます！書き換えておきますね｡私も関連タグにヒロアカが載ってるのは分からなくて…変える方法も分からず…誤解されてしまったら申し訳ありません｡ (2023年1月19日 13時) (レス) id: ebcd0fa8e6 (このIDを非表示/違反報告)
緋歌梨(プロフ) - “寡(やもめ)”ではなく、“宴(うたげ)”ですよ！！あと、関連タグにヒロアカがあるのはなんでですか…？？嫌な思いをされてしまったらすみませんm(_ _)m (2023年1月19日 13時) (レス) @page32 id: be71c26f4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：棗 | 作成日時：2022年12月12日 1時
