ゲソのご褒美 ページ39
カイラ様の棘のような視線がチクチクと刺さる。
「エンマ…旅に出るのではなかったのか」
「あぁ。出るが、Aの褒美がまだだからな」
ぬらりひょん様も溜め息をついている。
なんとも豪華メンバー空間である。
「ゲソヒゲール大臣というのはムゲン地獄第七層にて捕らえられている者で合っているか?」
「はい。間違いありません。ゲソヒゲール大臣、無実の証明は私一人では難しくて。エンマ様のお力があれば情報が集まりやすいかなと…。かなり時が経っておりますし……難しいのであれば……」
エンマ様は嬉しそうに目を細める。
「俺を頼ってくれるの嬉しいぜ?A。もちろんだ!調査に協力しよう」
「A、私では力不足か……?」
先程まで棘のような視線を送っていたカイラ様が落ち込んでいらっしゃる。
「いやいや!そういう訳では!エンマ様から褒美と言われたので……」
カイラ様、なんか可愛らしい。
こんな一面も見られるなんて幸せだなぁ。
「A、花飛んでんぞー」
エンマ様に言われ、急いで花をしまい、ゲソヒゲール大臣について話を戻す。
「すみません。ゲソヒゲール大臣はエンマ様達もご存知の通り高名な大臣でした。そして、悪い噂は聞いた事がありませんでした。ですが、突然政界から追い出されました。その後に出てきたのがイカカモネ議長です。私はイカカモネ議長が怪しいと踏んでいます」
そして、ゲソヒゲール大臣と退院後にムゲン地獄に向かい話を聞くと、本人は無実を訴えていた。そこで何回か攻撃を受けたが……。まぁ、それは一旦置いておこう。
「ムゲン地獄で話が通じないことで有名なあのゲソヒゲール大臣と話をしたのか?A、…ゲソ妖怪が好みなのか」
カイラ様は何故かぬらりひょん様を睨んでいる。
カイラ様、ぬらりひょん様の事も地雷に…。大変だなぁ。側近として気をつけておこう。
「カイラ様、確かにゲソヒゲール大臣は話が通じないことで有名ですが、実は汚名を着せられた事による怒りで我を失って話が聞こえない状態なんですよ。なのでゲソヒゲール大臣真っ赤かなんです。でも一発ビンタをすれば話を聞いてくれます」
ニコリと笑うと、ぬらりひょん様に引かれてしまった。
「なるほどな。確かに、それは調査をしなければならないな。わかった。イカカモネ議長の残党から調べていこう」
「ありがとうございます!エンマ様!」
エンマ様が笑うので私は頭を下げた。
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