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「私は大王様……エンマ様に謝りに来ました」
「謝罪?Aから謝罪されることなんてあっただろうか?」


エンマ様の笑い声が聞こえた。



「カイラ様のことでエンマ様が面会に来てくださっていたのに全て断りました。エンマ様は私を支えてくださったのに。エンマ様は何も悪い事を一つもしていないのに。むしろ助けてくださったのに。本当に申し訳ございません」

「顔を上げてくれ、A」
「エンマ様」
「いいから。上げてくれ」



私は初めて顔を上げてエンマ様の顔を見た。
エンマ様は笑っていた。


「これで怒っているように見えるか?それとも俺はそんな小さな事も許せないほど、器の小さい者に見えるか?」
「そんなことっ……」



私が首を振ると、エンマ様は椅子から降りて、私の前に立った。



「A、頼み事がある」
「ぇ、はい、なんでも仰ってください」
「A、俺の友になって欲しい。エンマと呼べとは言わない。昔から友になりたかった。正直カイラが羨ましいぐらいには」



予想外の言葉だった。
友……?



「……私が友になっても良いのですか?エンマ様を傷つけてしまったのに」
「友だから傷をつけられても、話し合い、心から許すことができるんじゃないか?」



私は何度も頷き、エンマ様の両手を掴んだ。



「エンマ様の友達になりたいです。ありがとうございます」



私はこの日、エンマ様と友達になったのであった。
私の心を締め上げる鎖が一つ外れた気がした。
少し息がしやすくなった。











「エンマ様」
「ん?」


湯呑みを置いて、私は口を開いた。


「人間界に最近悪さをする妖怪が増えています。恐らく、イカカモネ議長の一派だと考えられます」
「あぁ。イカカモネか。目を光らせておく必要があるな。しかし、まだ就任したばかりだ。すぐには手は回せそうにない」
「はい、人間界は妖怪ウォッチを有する者が解決するでしょう。しかし、妖魔界の対策も練っておくべきだと思います」
「妖怪ウォッチ……か懐かしい響きだな」


エンマ様は人間だった頃は『妖怪ウォッチ エルダ 神』を使い、妖魔界、人間界を救った。
この事を知っているとは言えないけど。



「私達の職場でもかなり重要な物でして」
「あぁ、人間庁ではそうだな。だが最近、人間との交流に反対派が世論となってきているのも事実だ」
「そこが私達の所でも課題です」




その後も私達は妖魔界と人間界について長く語り合った。

聖君→←▼友になりたかった



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作者名: | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2024年3月4日 8時

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