62振りの主

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5話ページ5

-石田side-

朝、いつも通りの道を通って登校していた
今日もまた、いつもの様に学校の近くまでは同じ学校の生徒には会うことはない、そう思っていた

「ほら、早く行かないと遅刻するぞ」
?1「待ってよー!まだネイルが…」
?2「転校初日から遅刻する気?」
?3「光樹さん、僕達先に行ってるね」
「おう、友達作って来いよ」
「「「はーい!!」」」

つい先日まで空家だった日本家屋から人が出てきた
それも、大人数で。小学生くらいの子達がパッと見ただけでも10人以上、中学生くらいの子が6人居る
また、高校生らしき人達全員が、空座第一高校の制服を着ていた

「あ、おはようございます」
石田「お、おはようございます」

あまりの大人数に驚き、立ち止まっていると金髪でエメラルドグリーンの瞳の男子に挨拶された
見ため的にハーフだろうか

「もしかして、空座第一高校の人ですか?」
石田「あ、はい」
「丁度良かった!!高校まで案内してくれません?ちょっと未だに道のりがうろ覚えで;」
石田「良いですよ」

案内するぐらいなら、と了承すると、満面の笑みでお礼を言われた
そして、すぐに他の人にお礼を言う様に言っていた

「そういえば、自己紹介がまだでしたね。俺は、佐久間光樹と言います。で、右から」
「……山姥弘樹」
「富田大和」
「金沢光」
「……相州廣光だ」
「粟田口国吉…」
「大和獅郎だ!」
石田「え…?」

自己紹介をして貰ったが、全員の苗字が違う事に驚いた
同じ家から出てきた為、てっきり兄弟なのかと思った
特に、佐久間さんと山姥さんは見た目がよく似ている為、双子だと思っていた

「あ、やっぱり驚きますよね。僕ら、一応半分は血が繋がってるんですよ」
石田「あ…すみません」
「いえいえ!石田さんが謝る事じゃないですよ」
弘「慣れたからな」
光「そーそー。ほら、早く学校に行こう」
富「元はといえばネイルがどうとか言ってたお前のせいなんだけど」
石田「……;」

この時、僕は気づいていなかった
佐久間さんが、まだ自己紹介していない筈の僕の名前を知っていた事を