悪魔と王子 ページ9
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「あ、そうだったんだ…」
誰にもバレずにコッソリやっていたつもりのものが、ただ見逃してもらっていただけと知り
何とも言い難い心持ちになる
それを察したらしい爺やは、控えめに咳払いをすると
先程より増して、難しい顔をした
「勿論、殿下が舞踏会を抜け出して居られる事を、王陛下にもお后様にも申し上げてはおりませぬ
ですが
抜け出して行かれた先が白鳥の湖であるのならば、話は別で御座います」
「あの湖に行く事の何が、悪いと言うのだ？」
とんでも無く難しい顔をして、湖に行く事がとんでも無く悪い事の如く言われた僕は
それがどうにも解せなくて、首をかしげた
「…………あの湖には、恐ろしい言い伝えがあるので御座います」
爺やはクソ難しい顔のままでそう言うと、僕を書庫へと誘った
書庫へ着くと、爺やは広い書庫の中を埋め尽くした書籍の中から、一際古く分厚い一冊の本を取り出し
それを、書庫の中央に置かれたテーブルの上に置いた
ドサッと言う重い音と共に、ふわりと埃が舞う
「…随分古そうな本だけど、何の本なの？」
「森に巣食うとされる悪魔と、その悪魔に呪われ姿を消してしまった王子の事に関する書物で御座います」
「悪魔…」
悪魔と聞いて、先程の彼の話を思い出す
爺やは、困惑する僕に書物のページを捲りながら
その書物に書かれている事を語り始めた
「もう、随分昔の事で御座いますが、我が国の王子に、どんな美姫さえも霞む程の、美しい王子が居られました」
「どんな美姫さえも霞む程の…」
そう聞いて瞬時に
誰よりも美しく
ドンピシャに僕好みで麗しい
僕の愛しい君の顔が頭に浮かんだ
「王子はその美しさ故に、数多の姫君から毎日の様に言い寄られておいででしたが
それを疎ましく思った王子は、度々城を抜け出しては、あの湖へと出掛けておられたそうです」
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花咲*(プロフ) - 猫さん、また、お話読めることが出来て嬉しい！猫さんの描くお山はずっと好きです。2人が幸せに暮らしてると思うと幸せ〜メデタシメデタシ♪新作のお山も楽しみにしております。 (2020年8月1日 10時) (
レス) id: 7a9a23c4d1 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 猫さん、完結ありがとうございます！しかもたまたまお星様が『222票』にゃにゃにゃ！でした。（無理とわかってて何度も押したいタイプです）幸せなメデタシでこちらも幸せになりました！素敵可愛いお話ありがとうございました。 (2020年8月1日 10時) (レス) id: 6cd0f843d6 (このIDを非表示/違反報告)
青子(プロフ) - 猫ちゃん、完結おめでとうございます♪ポチwネーミング最高w好きだわ〜www。やっぱり猫ちゃんのお話は面白い！！大好き！次のお話も楽しみ♪♪♪くれぐれも体調に気をつけてね！ (2020年8月1日 7時) (レス) id: a31050b24b (このIDを非表示/違反報告)
yumi(プロフ) - 追伸、新作も楽しみです♪ (2020年8月1日 1時) (レス) id: 052d2e9543 (このIDを非表示/違反報告)
yumi(プロフ) - 猫にゃん、素敵なお話ありがとーございました。さとちってば魔法も使えちゃうのね♪お二人の末永いラブラブを心よりお祈りしてます。てか、ぽちって(笑)。 (2020年8月1日 1時) (レス) id: 052d2e9543 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：s猫s
| 作成日時：2020年6月25日 10時
