筒抜け ページ8
.
「……………行ってしまった。」
暫しの間
彼が飛び去った空を恨めしい気分で眺めた後
僕は、とぼとぼと一人帰路に就いた
重い足取りで城に戻るとそこに
僕の帰りを待ち構えていた爺やが、難しい顔をして立っていた
「この様な時刻まで、何処にお出でで御座いましたのか。」
「何処って…ちょっと、毎晩舞踏会ばかりで疲れていたから、気分転換にその辺を散歩していただけだよ」
適当な言い訳を並べ、部屋に向かう僕の後を
爺やが付いて来る
「どの辺りをお散歩なさいましたのでしょうか。」
「何処って…まあ、その…街中を、ブラブラと…」
「街中には」
また、適当な言い訳を言う僕のお尻の辺りに付いていた何かを、爺やがさっと摘まんだ
そして、スッと僕の前に出ると、爺やは摘まんだモノを僕に、翳して見せた
「街中にはこの様な草は生えてはおりませぬ
これは、森の中の湖畔のみに生息するシダ植物の葉で御座います」
「そ、そうなのか？
…ああ、そう言えば、湖の方にもちょっとだけ立ちよったかも…」
「……矢張、そうでしたか。」
爺やは深いため息をつくと、大きく頭を振った
「………毎夜、舞踏会を抜け出して何方かにお出でになっておられるご様子でしたが
よもや、あの湖に行かれていたとは…」
「いや、今日はたまたまちょっとだけ…って、抜け出してるのバレてたのか？」
爺やに舞踏会を抜け出していた事がバレていたと知った僕が、驚いた顔を見せると
それを見て、今度は爺やが驚いた顔をした
「バレて居ないとでも？」
「え？…うう…まあ…」
「舞踏会の主役が居なくなるのですから、気付かない訳が御座いませんでしょう
ですが
殿下が舞踏会に出られる事を嫌っておいでな事も承知しておりました故、黙認しておりました」
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花咲*(プロフ) - 猫さん、また、お話読めることが出来て嬉しい！猫さんの描くお山はずっと好きです。2人が幸せに暮らしてると思うと幸せ〜メデタシメデタシ♪新作のお山も楽しみにしております。 (2020年8月1日 10時) (
レス) id: 7a9a23c4d1 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 猫さん、完結ありがとうございます！しかもたまたまお星様が『222票』にゃにゃにゃ！でした。（無理とわかってて何度も押したいタイプです）幸せなメデタシでこちらも幸せになりました！素敵可愛いお話ありがとうございました。 (2020年8月1日 10時) (レス) id: 6cd0f843d6 (このIDを非表示/違反報告)
青子(プロフ) - 猫ちゃん、完結おめでとうございます♪ポチwネーミング最高w好きだわ〜www。やっぱり猫ちゃんのお話は面白い！！大好き！次のお話も楽しみ♪♪♪くれぐれも体調に気をつけてね！ (2020年8月1日 7時) (レス) id: a31050b24b (このIDを非表示/違反報告)
yumi(プロフ) - 追伸、新作も楽しみです♪ (2020年8月1日 1時) (レス) id: 052d2e9543 (このIDを非表示/違反報告)
yumi(プロフ) - 猫にゃん、素敵なお話ありがとーございました。さとちってば魔法も使えちゃうのね♪お二人の末永いラブラブを心よりお祈りしてます。てか、ぽちって(笑)。 (2020年8月1日 1時) (レス) id: 052d2e9543 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：s猫s
| 作成日時：2020年6月25日 10時
