月が綺麗な夜に貴方と

かっとう ページ2

「…どうしよう」

大きなため息をついて手元の手紙をじっと見つめる


祖父の葬儀から数日後、
少しは悲しみから立ち直れそうになったが


未だに古本屋には行っていない


勿論行きたくない訳ではないのだが…


手紙の内容をもう一度見直す

私の中でどうしても

青年

という単語が引っかかってしまうのだ



そもそも青年って…、、？

いつから働いてるんだろう、
どんな人だろう
年齢は？青年だから大人ではないよね…



そして最大の悩み…やっぱ青年って言うくらいだから




男の人…だよね



中高合わせて5年間女子校に通っている私にとって男子はもはやフィクションの存在


接し方なんてとっくに忘れてしまったし


自慢ではないけど17年間彼氏などいた事がない

そんな私が男子と2人で古本屋で働く…？



話せなくて気まずくなる未来しか見えない…


でもそんなちっぽけな悩みで祖父のお願いを無視するの？


でもでも、男の人と話せてないんだもん！働く以前の問題だよ…



でもでもでも古本屋に行きたいよ！！！！！



そんな風に自問自答を繰り返して



お客さんのフリをすれば良いんじゃ？！

とひらめいたのだ。



その青年がどんな人かまずは確かめる！！

普通にお店が今どんなふうになっているかも気になるのも事実だ


まあ、ダメそうだったら逃げれば良いのでは？



という浅はかすぎる考えで古本屋への向かったのだ

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