月が綺麗な夜に貴方と

4 ページ28

待ち合わせの時に色々とあったけど




それを考え直す余裕がないくらいウォヌ先輩との時間は楽しくって





二人で沢山街を歩き回った





まあ、私の行きたいとこについてきてもらってただけなんだけどね…





でも、いつも古本屋にいる時よりは沢山喋って、笑ってる気がする






勇気出して誘って良かったな…





お陰でウォヌ先輩のこともっと知れたし！




例えば…コーヒーはブラックで飲むけど意外と甘党ってとことか




いつもはコンタクトで、休日は眼鏡かけてるとか！




あとあと、UFOキャッチャーが上手い！！




さっき、ゲームセンターでエディのキーホルダー
取ってもらったんだ〜家宝にしなきゃ！笑





このまま楽しい時がずっと続けばいいのに…





でも、時の流れはすごく早くて



オレンジ色の夕日が少しずつ出てきている





『もう7時か…そろそろ帰るか？』





「…そうですね！帰りましょう」




もう少し一緒にいたかったな…





でも、ワガママ言いすぎると先輩に怒られちゃうか




残念に思いつつも、一歩踏み出した





その時…





「…っっ！！！！！」




左足に鋭い痛みが走る




履き慣れてないパンプスで沢山歩いたから




足が靴擦れを起こしたようだ




結構前からチクチクと痛みを感じていたけど





ウォヌ先輩にバレたくないから耐えていた




でも、限界がきたみたいで




あまりの痛さにその場でしゃがみこんでしまった




ウォヌ先輩が振り返ってこっちを見る




『…？どうした』




最後の最後で先輩に迷惑かけたくないよ




隠し切らないと…！




「あはは…大丈夫です。小石につまづいちゃって！」




無理矢理に笑顔を作って立ち上がり、歩く



うん大丈夫。まだ頑張れる




駅までならギリギリ…




『嘘だろ、それ』




「え？何のことですか？」




『痛いんだろ、足』




…バレちゃった、こんな別れ時に




最後まで楽しく過ごしたかったのに




「ご、ごめんな…」




私の言葉を遮るように




いきなりしゃがみ出すウォヌ先輩





『乗れよ』




「へっ！？」




『いいから、乗って』






これって…まさかの…







おんぶですか…！？

しあわせなとき→←3

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す