第292話 ページ49
「私のこと、嫌いになっちゃったんだって。
ついに、ついに嫌いになっちゃったんだって。」
手を伸ばした。
だってあまりに苦しそうに泣いてるから。
我慢できなかったんだ。
だから、仕方ないだろ？
そう自分に言い聞かせて、言い訳しながら
手を伸ばすのをやめなかった。
伸ばした手は肩を超えて小さな背中に行き着いて、
そのまま引き寄せていた。
Aちゃんはそのまま抵抗せずに
だけどやっとの事で繋がっていた細い糸が
プツンと切れたように、声を上げて泣き始めた。
「私から避けといて…っ…
電話来たって出ないくせにっ……。
本当、意味わかんないこと言ってるって
自分でもちゃんと分かってるんです。
…っ…超自分勝手で、
サイテーな女って分かってます…っ…。」
「うん。」
なだめるように背中を小さく叩くと
ポスッと優しい音がした。
好きな子が泣いてるのに
何もできない自分が悔しくて。
好きな子が泣いてるのに
泣いてる理由が自分じゃないことが悔しくて。
そんな自分が大嫌いで…。
何より好きな子がこんなに泣いてることが
悲しくて、泣きそうになった。
「でも、私だって…っ…
好きでこうなったんじゃない…。」
「……うん。」
きっと、誰かに何か言われたんだよね。
分かるよ。
こんなにアイツのこと好きなんだもんね。
だから分かるんだ。
俺なら幸せにできる…って言えないこと。
俺が相手だったとしても、きっと
誰かから邪魔されてたんだろうなって分かるから。
俺にしなよ、なんて無責任なこと
死んでも言えないんだ。
「辛かったんです、辛かったから、
電話で表示される名前が、
メッセージで表示される名前が、
唯一の慰めだったんです。」
「…うん。」
「もうどうしていいか分かんなくて…。」
「……うん。」
だから何にも言えなくて
口を開いたら何か無責任なことを
言ってしまいそうで、
口を閉じたまま、くぐもった声で返事した。
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Hinayeol(プロフ) - わーーん更新楽しみに待ってます！！ (2017年8月29日 0時) (
レス) id: 1db30c893b (このIDを非表示/違反報告)
どんちゃん(プロフ) - Hinayeolさん» Hinayeolさんコメントありがとうございます！もうすぐで更新する予定なので楽しみにしていただけるとありがたいですヽ(*'▽'*)ﾉ (2017年8月28日 23時) (レス) id: 32cc05fed0 (このIDを非表示/違反報告)
Hinayeol(プロフ) - チャニョリ〜早くくっついて (泣) (2017年8月28日 4時) (レス) id: 1db30c893b (このIDを非表示/違反報告)
どんちゃん(プロフ) - ritzさん» ritzさん、コメントありがとうございます。嬉しいです！更新頑張ります(*^^*) (2017年8月13日 23時) (レス) id: 7f2b0d3fd7 (このIDを非表示/違反報告)
ritz(プロフ) - いつも楽しみに更新待ってます！！これからもよろしくお願いします！ (2017年8月13日 20時) (レス) id: 38d97e9a00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：どんちゃん | 作成日時：2017年7月31日 14時
