第278話 ページ35
「でも、この前思いました。
愛してるって言葉が
自分の一番大切な人にあげられる、
これ以上ないくらいの
最高の言葉なんじゃないかって。
ふざけたり、軽く言う"愛してる"なんて、
薄っぺらくて"嫌い"よりタチが悪いけど…。
だけどもしそれが本心だったらとしたら、
言われた人の心に剥がれて落ちないくらい
しっかり刻まれちゃう言葉です。」
ポロポロと零すように話すこの子を見つめながら、
やっぱりどうやったって妹として見ることはできないと思った。
初めて会った時から、強くて頼もしくて、
だけど脆くて繊細だったこの子の肩は
いつだって小さく見えた。
その肩を支えたいと思った。
ずっとそばで。
そう思ってしまった瞬間に、
もうゲームオーバーだったんだ。
きっとこの子が完全に誰かのものになるまで
この想いが消えることはないだろう。
「好きなんだけど、好きだけじゃ足りなくて、
何て言葉でも表しきれない時に借りる言葉です、
きっと。
今までその感情が分かってなかったから、
だからダサいなんて思ってたのかも。」
「…言えなかったこと、あるの？」
答えの分かり切った質問だったけれど
投げかけた。
すぐに後悔するのは分かっていたけれど
自分を痛めつけるのにはちょうど良かった。
こんな目でこの子を見てしまう自分への、
せめてもの罰だった。
「ありますよ。
愛してるどころか、
好きすら言えなかったなぁ…。
…いや、言えなかったんじゃなくて、
言わなかったんだった。
確かに言える機会はあったんです。
あの時とか……あの時……あ、あの時も！」
Aちゃんは目をギュッとつむって
記憶の中を旅行しているのか、
頭の中の思い出を指差す代わりに
何もない空中をあちこちと指差した。
「うふふ、もう言っちゃいけない言葉になっちゃったんですけどねー…(笑)
いつでも言えるっていう安心感もあったかもしれないけど、それ以上に恥ずかしかったっていうのが大きいです。
そんなこと言うキャラじゃないし…って。
ホント、笑えますよね。
そんなつまんないプライド捨てちゃえばよかったのに。
そしたら、こんなに自分のこと嫌いにならなかったかも。
ギョンスくんは、
絶対に言わなきゃダメですよ、
私みたいに後悔しないで。」
ううん。
僕にはそんな選択肢は無かった。
言える機会もなかった。
初めから
"言っちゃいけない言葉"
だったから。
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Hinayeol(プロフ) - わーーん更新楽しみに待ってます！！ (2017年8月29日 0時) (
レス) id: 1db30c893b (このIDを非表示/違反報告)
どんちゃん(プロフ) - Hinayeolさん» Hinayeolさんコメントありがとうございます！もうすぐで更新する予定なので楽しみにしていただけるとありがたいですヽ(*'▽'*)ﾉ (2017年8月28日 23時) (レス) id: 32cc05fed0 (このIDを非表示/違反報告)
Hinayeol(プロフ) - チャニョリ〜早くくっついて (泣) (2017年8月28日 4時) (レス) id: 1db30c893b (このIDを非表示/違反報告)
どんちゃん(プロフ) - ritzさん» ritzさん、コメントありがとうございます。嬉しいです！更新頑張ります(*^^*) (2017年8月13日 23時) (レス) id: 7f2b0d3fd7 (このIDを非表示/違反報告)
ritz(プロフ) - いつも楽しみに更新待ってます！！これからもよろしくお願いします！ (2017年8月13日 20時) (レス) id: 38d97e9a00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：どんちゃん | 作成日時：2017年7月31日 14時
