第277話 ページ34
「私は……自分が嫌いだったんです。
どっか冷めてるし、
めんどくさいこと嫌いだし、
自分の思う通りにいかないと嫌だし、
優しくも、素直でもないから。」
自分を責める辛そうなこの子の肩を抱いて、
優しくトントン叩いてあげたかった。
だけど、そうするには手が届かない。
まるで心の距離みたいだった。
いくら俺が手を伸ばしても届かない距離にいる。
でも、届く距離に移動する勇気は、
俺にはなかった。
「……でもね、違ったんです、
私、自分のこと大好きだったんですよ。
だってそうじゃなきゃ…
今こんなザマになってないでしょ。
自分が幸せになる方向に、
自分が笑える方向に…って考えてたから…
だから…こんなことになっちゃったんです。
私はただ…好きな人と一緒に居たかっただけなのに。
それが誰かを不幸にするかもしれないなんて、
学校も親も教えてくれなかったなぁ…。」
「…Aちゃん、酔ってるよ、もうやめな。」
ずっと黙っていたせいか、
開いた口から出た声はすっかり乾いていた。
Aちゃんの握っていたコップを取ろうと
手を伸ばすと、避けられて手は届かなかった。
「何でよ…酔ったらなんだっていうの…。
酔いたくて飲んでるのに……。」
伸ばしても、やっぱり届かないんだ。
伸ばしても、避けられるなら、
この距離がちょうどいいのかもしれない。
傷つかなくて済むから。
「…ギョンスくん。
愛してるって言えなかったこと、ありますか？」
「…"愛してる"？」
俺の聞き返しに深く頷くと、コップを両手で握ったまま、中に入っている酒を見つめてAちゃんは言う。
「私ね、"愛してる"って、
ちょっとダサいなって思ってたんです。
カッコつけてるじゃん、
そういうこと言ってる自分に酔っちゃってるって。
何なの、愛してるって(笑)
好きならわかるけど、愛してるって…。
私なんて、愛が何かも分かんないのに。
その言葉を使ってる人たちは、
確信を持ってそう言ってるのかな、って。」
顔を上げずに独り言のようにツラツラと言葉を並べていく。
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Hinayeol(プロフ) - わーーん更新楽しみに待ってます！！ (2017年8月29日 0時) (
レス) id: 1db30c893b (このIDを非表示/違反報告)
どんちゃん(プロフ) - Hinayeolさん» Hinayeolさんコメントありがとうございます！もうすぐで更新する予定なので楽しみにしていただけるとありがたいですヽ(*'▽'*)ﾉ (2017年8月28日 23時) (レス) id: 32cc05fed0 (このIDを非表示/違反報告)
Hinayeol(プロフ) - チャニョリ〜早くくっついて (泣) (2017年8月28日 4時) (レス) id: 1db30c893b (このIDを非表示/違反報告)
どんちゃん(プロフ) - ritzさん» ritzさん、コメントありがとうございます。嬉しいです！更新頑張ります(*^^*) (2017年8月13日 23時) (レス) id: 7f2b0d3fd7 (このIDを非表示/違反報告)
ritz(プロフ) - いつも楽しみに更新待ってます！！これからもよろしくお願いします！ (2017年8月13日 20時) (レス) id: 38d97e9a00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：どんちゃん | 作成日時：2017年7月31日 14時
