第270話 ページ27
突然真上から降って来た声に少し驚いて
右斜め上を見ると、例の"一人"がいた。
さっきセットされたはずの髪の毛は
少し崩れていて、目の下が真っ赤だった。
その原因が何となく分かって、
気まずさから目を逸らした。
返事がない俺にまた声が降りかかる。
「あいつ今きっと一人ぼっちなんだ。
俺はこの世界の人なら分かってくれる悩みだし、
メンバーとかヒョンとか相談できる奴がいるけど…
あいつはいないからさ。
あいつはきっと、言いたくても、
なんにも言えないんだ、誰にも。
一人ぼっちで、泣いて苦しんで…。
いや、泣く場所だってないかもしれない。
だから、聞いてやってくんないかな。
俺には話してくんないだろうし。」
深く鼻から息を吐く。
きっとこいつにも聞こえてるはずだ。
「いいの？俺が行っても。
そういうの、嫌じゃなかったっけ。」
俺も大概だけど、こいつが嫉妬深いのは知ってる。
まぁ今まで一緒に飲んでおいて、
今更こうして確認というのも何だけれども。
「信じてるし。」
何の悩みもせずに、
それほど間を空けずに言葉が返って来る。
皮肉なわけでも、言い聞かせるわけでも、
押し付けるわけでも、念を押すわけでもなく、
ただポロっと零したその言葉に嘘が感じられなくて、胸が痛くなった。
こいつは俺の想いを知らないけれど。
知ったら怒るだろうか。
失望するだろうか。
だけど仕方ないじゃないか、と
誰かに言い訳したくなった。
気持ちというものは単純でも簡単でもなかった。
自分と結ばれるならどんなにいいだろうと思いながらも、友人の幸せを心から願っている自分も確かにここにいた。
それだけが今の自分には救いでもあった。
自分の幸せを追いたい思いもあるけれど、
完全に悪い奴にはなりたくなかったから。
難しい。
けどこの矛盾が今の自分を作っているのは確かで、
気持ちが無くなるまで、きっと俺はこの矛盾と
向き合い続けなくてはならないんだろう。
あと、どれくらいだろう。
どれくらいで決着がつくだろう。
もう結末は何となく分かっているけれども、
その結末にいつまでも辿り着かないから、
イライラして、おかしくなりそうで…。
だけどどこか安心していた。
「…分かった。」
息と共に吐き出した言葉に、安心したように礼を言う隣のこいつの声が、空っぽの心にジンジンと響いた。
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Hinayeol(プロフ) - わーーん更新楽しみに待ってます！！ (2017年8月29日 0時) (
レス) id: 1db30c893b (このIDを非表示/違反報告)
どんちゃん(プロフ) - Hinayeolさん» Hinayeolさんコメントありがとうございます！もうすぐで更新する予定なので楽しみにしていただけるとありがたいですヽ(*'▽'*)ﾉ (2017年8月28日 23時) (レス) id: 32cc05fed0 (このIDを非表示/違反報告)
Hinayeol(プロフ) - チャニョリ〜早くくっついて (泣) (2017年8月28日 4時) (レス) id: 1db30c893b (このIDを非表示/違反報告)
どんちゃん(プロフ) - ritzさん» ritzさん、コメントありがとうございます。嬉しいです！更新頑張ります(*^^*) (2017年8月13日 23時) (レス) id: 7f2b0d3fd7 (このIDを非表示/違反報告)
ritz(プロフ) - いつも楽しみに更新待ってます！！これからもよろしくお願いします！ (2017年8月13日 20時) (レス) id: 38d97e9a00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：どんちゃん | 作成日時：2017年7月31日 14時
