＊ ページ9
×
手に力が入らなくなったのか、彼女はピストルを床に落とした。
そして、表情を失い棒立ちになる。
「君が二重スパイだと分かったのは、君が中也に嘘をついたからだ。
＿＿＿＿＿『私の父は、病気で伏せている』と。」
嗚呼、今でも覚えてる。恋仲になる前の話だ。
中也と仲良さそうに笑って話していたA。その時に、心底悲しそうにそう云っていた。
彼女は、まさか私に聞かれていたなんて思っていないだろう。
「最初は何とも思わなかったさ。君はよく『父さんに呼ばれた』って云って私との約束を破っていたしね。」
「じゃあ、なんで……」
「君が、父親の事を家族と思っていなかったからさ。」
彼女が、本当は父親の事を家族だと思っていなかったから、たまに感じる違和感があった。
病で伏せているならば、24時間マフィアに籠りっきりで仕事をするなんておかしい。父親以外に親族が居ないと云っていたから。
それなのに呼ばれた日以外は顔色一つ変えずに、心配する様子など全く見えなかった。
「だから調べてみたんだ。君の父親の事を。」
「そしたら、死んでいた……………と？」
彼女の父親はもう何年も前に死んでいる。
ならば彼女は誰に会いに行っていたのか？
誰と電話をしていたのか？
「で、その時気づいたのさ。『父さん』という1人の別人物の存在にね。」
その後は簡単だった。
彼女の自惚れの原点は、疑われないという絶対の自信。それ故、調べるのはマフィアの下級構成員にも楽な仕事だろう。
一歩ずつ縮めた距離は、既にほぼ無い。
「君の失敗はたったひとつ。」
悔しそうにこちらを見上げるA。
これが人生最後の瞬間の顔だというのなら、随分と可愛らしく見える。
この表情を見るため、私は彼女を泳がせていた。
「君の失敗は、私の隣を利用しようとした事さ。」
私は彼女に、今までの中で一番優しい接吻をした。
＊＊＊
星が黄色く！？順位も着いてる！？(((ﾟДﾟ)))
あ、あああああありがとうございます！！！！！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 485人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鈴蘭(プロフ) - こんるりさん» ぜひ参考にしてください！やっぱり中也カッコいいですよね←私は双黒推しですww貴重なご意見ありがとうございまーす！！ (2018年5月27日 20時) (
レス) id: 9a95a8d97d (このIDを非表示/違反報告)
こんるり(プロフ) - 話の進め方が凄いなと思いました。参考にさせてほしいくらい！！ 私は中也の話が良かったと思います。というか中也推しなんですけどねwww (2018年5月27日 18時) (レス) id: 5e0d07926f (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭(プロフ) - 今宵さん» 何を！仰っているのですか！！先輩に勝ってるなんて！！そんな、勿体無いお言葉を………（泣）受験勉強で時間ない中私の作品を読んで頂いていて本当にありがとうございます！！超応援してます！！またお話しましょう！！ (2018年5月25日 23時) (レス) id: 9a95a8d97d (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭(プロフ) - みぃさん» ありがとうございます！新作も頑張っていくので、よろしくお願いします！(≧∇≦) (2018年5月25日 23時) (レス) id: 9a95a8d97d (このIDを非表示/違反報告)
今宵(プロフ) - 完結おめでとう！初作品とは思えないクオリティ……負けました（笑）これからも頑張ってね！ (2018年5月25日 20時) (レス) id: c22f6d85ee (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鈴蘭 | 作成日時：2018年4月28日 22時
