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襲撃を受けたと聞き、状況を把握するためにビルを駆け下りた中也。




「は…………?」




戻ってくると、そこには既に太宰の姿は無かった。



直後、彼の額を冷や汗が伝う。



もしかしたら、Aを殺しに行ったのかもしれない。その考えに至った瞬間、中也は来た道をまた引き返した。



机の上に置いてあったメモには、こう書いてある。





『亡霊を追い詰めるなら、
鬼が鬼の血を見る場所に限るよねぇ、中也。』





亡霊がA、鬼がマフィアの構成員だとしたら、マフィアが仲間の血を見る場所はひとつしかない。



それは、太宰がさんざん部下を痛めつけてきた訓練場だ。




中也はそう考え、そこに向かったのだった。



______メモの隣に置いてあった、拳銃を手に取ってから。





同時刻、彼女も訓練場に向かっていた。



(きっと、部下に見られていたのは太宰にとっても誤算だっただろうな……)



呑気なことを考えながら。




殺してきた人数に組織への思いは関係ない。


死んでも仕方ないな、くらいの軽い気持ちなのだ。





訓練場が見えてきて、私は足を止めた。


ゆっくりと、中に入る。




「襲撃は順調かい?

_________愚かなスパイさん。」



「生憎、何処かの双黒さんのおかげで勝利の見通しが立たないもので。」




人の悪い笑みを浮かべる太宰に、不敵に笑って返した。



此処が墓場になるかもしれない。


首領の手先に裏切られるよりは、随分とマシな死に方かもしれない。



そんな事まで考え始めた。




「1年間、よくもまあ騙し続けたものだ。全然気づかなかったよ。」


「それはきっと、私の組織への忠誠心が皆無だったからね。バレなかったんだよ。」




私は、思い出を懐かしむように太宰と目を合わせる。



当然、太宰の動きが止まるはずもない。



静かに睨み合う私たち。お互いにタイミングを計っているのは分かりきっていた。



そこへ、もうひとつの…………恐らく、中也の足音が近づいてくる。



そして、太宰が言葉を発した。









「『天の瞳』は、もともとは人を救うための異能力だったの、知ってるかい?」


「………っ、よせッ!!」









刹那。




太宰は、私に銃を向けた。


私は、中也に銃を向けた。


中也は、太宰に銃を向けた。





…………不思議な空間が出来上がった。

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鈴蘭(プロフ) - こんるりさん» ぜひ参考にしてください!やっぱり中也カッコいいですよね←私は双黒推しですww貴重なご意見ありがとうございまーす!! (2018年5月27日 20時) (レス) id: 9a95a8d97d (このIDを非表示/違反報告)
こんるり(プロフ) - 話の進め方が凄いなと思いました。参考にさせてほしいくらい!! 私は中也の話が良かったと思います。というか中也推しなんですけどねwww (2018年5月27日 18時) (レス) id: 5e0d07926f (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭(プロフ) - 今宵さん» 何を!仰っているのですか!!先輩に勝ってるなんて!!そんな、勿体無いお言葉を………(泣)受験勉強で時間ない中私の作品を読んで頂いていて本当にありがとうございます!!超応援してます!!またお話しましょう!! (2018年5月25日 23時) (レス) id: 9a95a8d97d (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭(プロフ) - みぃさん» ありがとうございます!新作も頑張っていくので、よろしくお願いします!(≧∇≦) (2018年5月25日 23時) (レス) id: 9a95a8d97d (このIDを非表示/違反報告)
今宵(プロフ) - 完結おめでとう!初作品とは思えないクオリティ……負けました(笑)これからも頑張ってね! (2018年5月25日 20時) (レス) id: c22f6d85ee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鈴蘭 | 作成日時:2018年4月28日 22時

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