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襲撃開始の2時間前、
ポートマフィア本部ビル_________
机の上に広げた書類。私はそれを睨みつけるように見ていた。
「私を黙せるなんて、随分と舐めてくれたじゃないか。A?」
独り言のように呟き、自然と笑みが零れてしまう。
書類には、私が調べ上げた彼女についての情報全てが書かれていた。
本名は、灰谷A。
小さい頃に所属する組織の首領によって名字を名乗る事を禁止されてる。
異能力『GuiltyGains』は、目を合わせた相手の動きを止める異能力で、11歳の時に死んだ父から受け継いだ。
父親の名前は、灰谷健次郎。
異能力『天の瞳』は元々人を救うための異能力だったが、悪用し犯罪を犯していた。
組織から逃げ出すと、その後すぐに暗殺された。
こんなのに始まり、今までに殺してきた人間のリストや、受けてきた仕事なんかの情報も手に入れた。
全ては、組織の杜撰な管理のせいだけどね。
組織の裏の情報。
構成員をすべて番号化し、それぞれに本人も知らない情報を管理する。
過去も未来も、それを見れば自分の全てが分かるようになっている。
云わば、自分の説明書だ。
そんなものを簡単に敵組織に奪われちゃうようじゃ、ポートマフィアの攻略なんて出来るわけが無い。
今回は我々が敵を抹消する良い機会になる。
そんなことを考えていると、不意に扉をノックする音が聞こえてきた。
この感じは恐らく………
「どうぞ、中也。」
「何で分かるンだよ。」
案の定、機嫌の悪そうな中也が入ってきた。
彼はデスクの上の資料に気づくと、わかりやすく顔を顰める。
「本当に………彼奴が、」
「そうだよ。1年間、よくもまあ気付かなかったものだ。幹部として情けなくなってしまうよ。」
この事は、中也に全て話してあった。
その上で、『彼女は殺さなきゃいけない』と既に伝えてある。
「要は捕虜が居ればいいんだ。スパイに拘る必要は無い。危険人物を捕まえるより、そっちの方が楽だから。」
「あ、嗚呼………」
中也は納得していない。
スパイがAだとわかった瞬間に私情を挟むなんて、良くないことだと思う。
「もうすぐ攻撃が開始する。ポートマフィアを落とせるなんて莫迦な事考えるだけあって雑魚は数が居る。」
徹底的に排除して、組織ごとこの世から消さなきゃならない。
私はそんなに甘くないよ?
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鈴蘭(プロフ) - こんるりさん» ぜひ参考にしてください!やっぱり中也カッコいいですよね←私は双黒推しですww貴重なご意見ありがとうございまーす!! (2018年5月27日 20時) (レス) id: 9a95a8d97d (このIDを非表示/違反報告)
こんるり(プロフ) - 話の進め方が凄いなと思いました。参考にさせてほしいくらい!! 私は中也の話が良かったと思います。というか中也推しなんですけどねwww (2018年5月27日 18時) (レス) id: 5e0d07926f (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭(プロフ) - 今宵さん» 何を!仰っているのですか!!先輩に勝ってるなんて!!そんな、勿体無いお言葉を………(泣)受験勉強で時間ない中私の作品を読んで頂いていて本当にありがとうございます!!超応援してます!!またお話しましょう!! (2018年5月25日 23時) (レス) id: 9a95a8d97d (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭(プロフ) - みぃさん» ありがとうございます!新作も頑張っていくので、よろしくお願いします!(≧∇≦) (2018年5月25日 23時) (レス) id: 9a95a8d97d (このIDを非表示/違反報告)
今宵(プロフ) - 完結おめでとう!初作品とは思えないクオリティ……負けました(笑)これからも頑張ってね! (2018年5月25日 20時) (レス) id: c22f6d85ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鈴蘭 | 作成日時:2018年4月28日 22時