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ポートマフィアの支部は、着々と攻撃されていた。
確かに比べてしまえば足元に及ばなくとも、私の組織だってかなり大きい。
そして何より、雑魚が多い。
数で対抗する耐久戦なら、決して勝ち目が無い訳ではない。勿論、応援などしていないが。
「ちょこっと良いかなぁ??」
「駄目です。」
私は今、ニコリと笑顔を貼り付けた太宰にポートマフィアの廊下で引き止められていた。
てかそもそも、何で鎮圧作業をしているはずの太宰が本部の廊下を悠々と歩いてんだよ。
そんな疑問もあったが、突っ込んでいてはキリがないことは理解していたので黙っている。
「忙しいのかい?
首領いわく、今君には何の仕事も無いようだけれど…………」
「それでも忙しいの。さよなら。」
「待ってよ」
私をいじめて楽しいですか。
偽装前の監視カメラの映像を見つけ出しちゃったか、何処かの名探偵みたいにズバリと当てちゃったか、何にしろ。
(バレんの早くね?)
そんな軽い気持ちで、私は振り返った。
太宰に一体何の用なのか聞くと、太宰は驚きの返答を返してきたのだった。
「これから支部の鎮圧に行くんだけど、面倒だから私の代わりに行ってきてくれない?」
「………………………………………はい?」
あまりの驚きに、私は固まってしまう。
此奴、今なんて云った?
「だから、私の代わりに敵を鎮圧してきて欲しいのだけれど。」
「いやいやいやいや、なんで!?」
意味がわからず問いかける私に、太宰は微笑むだけだった。
暫く考えた後、私は真っ直ぐと正面を向いた。
「無理。」
「…………どうして?」
「私はポートマフィアの諜報員であって、戦闘員じゃない。確かに異能力は役に立つのかもしれないけど、私が幹部様の代わりになるわけが無いでしょ。」
それに、
私は準備をしなきゃいけないんだ。
「………仕方ないね。面倒だけど私が行くしかないか。」
「元々太宰の仕事じゃん。」
私は、踵を返して歩き出した太宰に向かって、大きな声で云った。
「此処が攻撃されたら私も戦うから!!」
…………勿論、敵側としてね。
返事のない太宰の背中を見つめ、私は準備のために反対方向に歩き出した。
襲撃の、準備のために。
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鈴蘭(プロフ) - こんるりさん» ぜひ参考にしてください!やっぱり中也カッコいいですよね←私は双黒推しですww貴重なご意見ありがとうございまーす!! (2018年5月27日 20時) (レス) id: 9a95a8d97d (このIDを非表示/違反報告)
こんるり(プロフ) - 話の進め方が凄いなと思いました。参考にさせてほしいくらい!! 私は中也の話が良かったと思います。というか中也推しなんですけどねwww (2018年5月27日 18時) (レス) id: 5e0d07926f (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭(プロフ) - 今宵さん» 何を!仰っているのですか!!先輩に勝ってるなんて!!そんな、勿体無いお言葉を………(泣)受験勉強で時間ない中私の作品を読んで頂いていて本当にありがとうございます!!超応援してます!!またお話しましょう!! (2018年5月25日 23時) (レス) id: 9a95a8d97d (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭(プロフ) - みぃさん» ありがとうございます!新作も頑張っていくので、よろしくお願いします!(≧∇≦) (2018年5月25日 23時) (レス) id: 9a95a8d97d (このIDを非表示/違反報告)
今宵(プロフ) - 完結おめでとう!初作品とは思えないクオリティ……負けました(笑)これからも頑張ってね! (2018年5月25日 20時) (レス) id: c22f6d85ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鈴蘭 | 作成日時:2018年4月28日 22時