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「中也!」


「太宰………」




すっかり日が落ちた頃、どうやったのか太宰が此処を突き止めて来た。


俺の肩に手を触れると、俺を縛っていたAの異能力がするりと解ける。




「Aは………?」




恐らく、此奴は『真実』に全て気付いていたはずだ。それでも、聞いてきた。



俺は帽子を深く被り直して云った。




俺が殺そうとした(・・・・・・・・)。けど、異能力で逃げられた(・・・・・・・・・)。」




これだけが、彼奴が最後まで幸せでいられる方法。



俺が彼奴を殺せば、彼奴が命懸けで持ちかけた取引が台無しになる。


しかし、見逃せば今度は俺が逃亡幇助になる。




俺は、自分の唇にそっと触れた。




例えAが何者であろうと、俺の部下を殺した犯人だろうと、それでも最後まで愛する事をやめられなかった。




これで良かったのか。


これが本当に、正解の道だったのか。




「……ん、何だろうこれ。」




太宰が、何かを見つけて拾い上げた。見るところ小さな紙切れのようだ。



…………無人の丘に、紙切れ?




それを覗き込んだ太宰は、目を丸くして固まった。




「………そういうことか。」


「何だったんだ?」



俺がそう聞くと、太宰は広げて見せてきた。


そこには、謎の数字の羅列が。




「………何の番号だ?」


「これはね、彼女の情報で、呼び名そのものだよ。」




太宰は、暗い顔でそう云った。



その顔には、少しの後悔が混ざっているような。




「彼女は。この情報を見て自らの暗殺計画を知ったんだ。だからこんな事をした。」


「暗殺……?どういう事だ?」


「…………もう時期、首領から組織の殲滅命令が下るだろう。その時に自分で調べるといい。」




太宰はそう云って、先に丘を下って行った。




『真実』には、全然たどり着けていなかった。


俺は、まだAについて何も知らない。






いつか必ず全てを突き止めると誓い、俺は太宰の後を追った。





_______end.

Three:双黒の場合→←*



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鈴蘭(プロフ) - こんるりさん» ぜひ参考にしてください!やっぱり中也カッコいいですよね←私は双黒推しですww貴重なご意見ありがとうございまーす!! (2018年5月27日 20時) (レス) id: 9a95a8d97d (このIDを非表示/違反報告)
こんるり(プロフ) - 話の進め方が凄いなと思いました。参考にさせてほしいくらい!! 私は中也の話が良かったと思います。というか中也推しなんですけどねwww (2018年5月27日 18時) (レス) id: 5e0d07926f (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭(プロフ) - 今宵さん» 何を!仰っているのですか!!先輩に勝ってるなんて!!そんな、勿体無いお言葉を………(泣)受験勉強で時間ない中私の作品を読んで頂いていて本当にありがとうございます!!超応援してます!!またお話しましょう!! (2018年5月25日 23時) (レス) id: 9a95a8d97d (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭(プロフ) - みぃさん» ありがとうございます!新作も頑張っていくので、よろしくお願いします!(≧∇≦) (2018年5月25日 23時) (レス) id: 9a95a8d97d (このIDを非表示/違反報告)
今宵(プロフ) - 完結おめでとう!初作品とは思えないクオリティ……負けました(笑)これからも頑張ってね! (2018年5月25日 20時) (レス) id: c22f6d85ee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鈴蘭 | 作成日時:2018年4月28日 22時

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