* ページ24
×
「太宰、話がある。」
俺は、太宰が使う仕事部屋に来ていた。
俺の声以外に、太宰のやるゲームのピコピコという音が響いている。
“ゲームオーバー”の音と共に、太宰は顔を上げた。
「ポートマフィアのスパイ探しはどんな感じ?」
「…………順調、ではないな。」
行き詰まっている訳ではないが、順調に進んでいる訳でもない。此処に来たのはそのためだ。
此処に来た理由は、此奴から全てを聞き出す為だった。
太宰ならば、絶対に何かを知っている。
「手前の知ってること全部話せ。これは俺が絶対に突き止めなきゃいけない問題だ。隠すんじゃねぇ。」
死んだ部下の役職を知っていた時点で、『何も知らなかった』は通用しない。
俺は早く犯人を見つけないといけないんだ。
そうじゃないと、手遅れになるような気がした。
「………私の口から真実を告げることは幾らでもできる。けど、君はそれでいいのかい?」
「…………何だと?」
その時、頭の中で声が響いた。
______これからどんな真実が待っていようと、目を背けてはいけない。
一体、どういう意味なんだ?
なぜ太宰は俺に真実を突き止めさせようとする?
沢山の疑問が頭をかけた。
「君だって気づき始めてるはずだ。マフィアに潜むスパイは、君に明確なヒントを沢山与えてる。」
「……は?」
「きっと気付いてもらいたいのだね。それか、余程の能無しか。」
云っている意味が分からない。
スパイが、俺に気付いてもらいたいと思ってる?
そんな事があるのか。
「私に会いに来たって事は、私が死んだ彼の正体を知っていた事に疑問を持ったからだろう?」
「あ、嗚呼………彼奴が情報管理人だという事は内密になってるからな。」
「彼の事を知っていたのは、私だけかい?」
その言葉が、どかんと頭の中に響く。
そして、この前と同じだ。また違和感に苛まれる。
何だ……?
何処かがおかしい。
忘れている“不可解な点”があるはずだ。
1週間前の夜。
殺された情報管理人。
奪われたキー。
太宰の言葉。
………ある事に気付いた。
犯人は、俺に気付いてもらいたがっている。
犯人は、俺に明確なヒントを与えている。
それでも俺が気付かないのは、『真実』に気づきたくないから?
______これからどんな真実が待っていようと、目を背けてはいけない。
何かが繋がった音がした。
485人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鈴蘭(プロフ) - こんるりさん» ぜひ参考にしてください!やっぱり中也カッコいいですよね←私は双黒推しですww貴重なご意見ありがとうございまーす!! (2018年5月27日 20時) (レス) id: 9a95a8d97d (このIDを非表示/違反報告)
こんるり(プロフ) - 話の進め方が凄いなと思いました。参考にさせてほしいくらい!! 私は中也の話が良かったと思います。というか中也推しなんですけどねwww (2018年5月27日 18時) (レス) id: 5e0d07926f (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭(プロフ) - 今宵さん» 何を!仰っているのですか!!先輩に勝ってるなんて!!そんな、勿体無いお言葉を………(泣)受験勉強で時間ない中私の作品を読んで頂いていて本当にありがとうございます!!超応援してます!!またお話しましょう!! (2018年5月25日 23時) (レス) id: 9a95a8d97d (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭(プロフ) - みぃさん» ありがとうございます!新作も頑張っていくので、よろしくお願いします!(≧∇≦) (2018年5月25日 23時) (レス) id: 9a95a8d97d (このIDを非表示/違反報告)
今宵(プロフ) - 完結おめでとう!初作品とは思えないクオリティ……負けました(笑)これからも頑張ってね! (2018年5月25日 20時) (レス) id: c22f6d85ee (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:鈴蘭 | 作成日時:2018年4月28日 22時