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夜の世界に、一筋の月光が差し込んだ。
私は、涙を流す。
涙を流し、そして目の前に横たわりこちらを睨みつける男を視界に入れる。
「御免なさい…………」
________直後、銃声が響いた。
私の手には、『146825』と書かれた小さな紙切れが握られている。
もう、全てが終わるから。
もう少しで、会いに行けるから。
だから、もう少しだけ___________
「御免なさい………中也………、」
_______________
________
早朝に起床してから現在まで、ぶっ通しで仕事を続けていた俺は、流石に目の疲れを感じてきた。
ので、顔を上げると_____
「うおぉぉぉお!!?」
「やっほー、中也!」
にこにこ……否、にやにやと笑っているAがそこには居た。
俺は驚いて、0.5メートルくらい後退した。
「手前いつからッ、って、何してんだよ!!」
「お仕事を手伝いに来ましたー!」
随分と機嫌が良いみたいだ。
俺の仕事を手伝うなんていう槍でも降るのかってくらい珍しい事を云い出した。
「何でそんな珍しい事云い出したンだ?」
俺がそう聞くと、Aは唸って固まった。そして何故か、『笑わない?』と聞いてきた。
何に笑うのか分からなかったので、取り敢えず『笑わない』と答えた。
「私のせいで昨日約束破っちゃったんだし、仕事お手伝いして………早めに終わらせて、一緒に出掛けたいなぁ、なんて。」
「………………」
云ってる途中で羞恥心が襲ってきたのか、顔を赤くして俯いたA。
俺は、そんな彼女の名前を小さく呟いた。
「A。」
「え、________」
そして、触れるだけのキスをする。
驚いたように固まるA。対する俺も、表情を変えることができなかった。
「あんま可愛い事云うンじゃねぇ。後悔するぞ。」
「……………っ///」
数秒の沈黙の後、Aの顔はたちまち赤く染まって行った。
そして、『バカ中也』とずっと呟いている。
俺は、そんな彼女をニヤニヤと見つめながら、残された仕事を再開させた。
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鈴蘭(プロフ) - こんるりさん» ぜひ参考にしてください!やっぱり中也カッコいいですよね←私は双黒推しですww貴重なご意見ありがとうございまーす!! (2018年5月27日 20時) (レス) id: 9a95a8d97d (このIDを非表示/違反報告)
こんるり(プロフ) - 話の進め方が凄いなと思いました。参考にさせてほしいくらい!! 私は中也の話が良かったと思います。というか中也推しなんですけどねwww (2018年5月27日 18時) (レス) id: 5e0d07926f (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭(プロフ) - 今宵さん» 何を!仰っているのですか!!先輩に勝ってるなんて!!そんな、勿体無いお言葉を………(泣)受験勉強で時間ない中私の作品を読んで頂いていて本当にありがとうございます!!超応援してます!!またお話しましょう!! (2018年5月25日 23時) (レス) id: 9a95a8d97d (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭(プロフ) - みぃさん» ありがとうございます!新作も頑張っていくので、よろしくお願いします!(≧∇≦) (2018年5月25日 23時) (レス) id: 9a95a8d97d (このIDを非表示/違反報告)
今宵(プロフ) - 完結おめでとう!初作品とは思えないクオリティ……負けました(笑)これからも頑張ってね! (2018年5月25日 20時) (レス) id: c22f6d85ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鈴蘭 | 作成日時:2018年4月28日 22時