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Aside
「……さん、おねえさん!」
女の子の声で我に返った。
「怪我はない?大丈夫?」
「はい、だいじょぶです。おねえさんは?」
「私も大丈夫。突然こんなことになるなんて……怖かったよね」
「こわかったけど、おねえさんがたすけてくれたからへいきです。ありがとうございました」
「助けられて良かったよ。あ、自己紹介が遅れたね。私はA。苗字はわからないんだ。年齢は14歳。よろしくね」
「あ、リアン・峯川(みねかわ)っていいます。6さいです。よろしくおねがいします!」
「リアンちゃんね。さて、これからどうしようか。リアンちゃん、親は?」
「おかあさんもおとうさんもヴァールがでたときにはぐれちゃって……」
やっぱりはぐれてしまっていたのか。あれだけヴァールの規模が大きかったんだ。リアンちゃんの親は、もしかしたらもう……いや、希望は捨てないでおこう。
「そうだったんだ。私の親も私がちっちゃい頃にいなくなっちゃったから、同じだね。」
嘘だ。私の親は、本当はいなくなったんじゃなく、ヴァールに殺されてしまったんだ。でも、この子にはそれは言わない方が良いだろう。
「おなじですね。リアンもAさんも、はやくみつかるといいですね!」
はやくみつかるように……か。その言葉を聞いて、少し、少しだけ、胸が痛んだ。
「そうだね。じゃあ、とりあえず避難所に行って、おかあさんとおとうさんがいないか探してみようか。もしいなかったとしても今日は避難所で過ごすことにしよう?」
「はい、そうしますね」
「じゃ、行こっか」
私がそう言うと、リアンちゃんが不思議そうな顔をして、私を見ていた。
「……もしかして、いっしょにいってくれるんですか?」
恐る恐るといった感じで、リアンちゃんが聞いてきた。
「もちろん。リアンちゃん1人だったら危ないでしょ?」
「え……いいん、です、か……?」
そう言ったリアンちゃんの瞳には、少し涙が浮かんでいた。
相当不安だったんだな。そりゃそうか。私でもこの状況は怖いのに、この子はもっと小さいんだもんな。その上、1人で行動しようとしてたなんて。
「大丈夫だよ。リアンちゃんを絶対に1人になんかさせないから。」
私は屈み、リアンちゃんの頬に手を添えながらそう言った。
「あ、りが、と……Aさん、ありがと……!」
「ふふっ。なんか照れちゃうな。それじゃ、そろそろ行こっか。」
「うん!Aちゃん!」
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氷華桜 - マクロスデルタのつづきを早く見たいです。 (7月26日 16時) (レス) @page40 id: 50567ddaac (このIDを非表示/違反報告)
ヲタク - マクロスΔ大好きです♪続きがきになる!応援してます! (2023年2月21日 21時) (レス) @page40 id: 5cff5ab6d5 (このIDを非表示/違反報告)
kirara(プロフ) - 続きも見たいです(*^▽^*) (2022年1月22日 20時) (レス) @page40 id: a056ba0898 (このIDを非表示/違反報告)
花川(プロフ) - 満月もなかさん» ありがとうごさいます!お祝いして頂いて、とても嬉しいです! (2020年3月2日 16時) (レス) id: 4fb75adaf8 (このIDを非表示/違反報告)
満月もなか(プロフ) - 第一志望合格おめでとうございます(*´ω`*) (2020年3月2日 7時) (レス) id: 5b6ffc4c57 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花川 | 作成日時:2019年3月2日 18時