私の命で。【マクロスΔ】

【２３】と【２４】の間 ページ38

カナメside

これは、歌のオーディションが終わり、ダンスのオーディション直前の、マキナと私の会話。

「カナカナ、本当に名前の最初の2文字を繰り返すのこと疑わなくて大丈夫なの〜？フォールド波も凄く高いし、歌も上手いし、あとはヴァールに動じずにパフォーマンスが出来たら完璧なのはわかってるけど、自分の苗字も言わないんだよ？」

マキナは人一倍メンバーのことを思っているから、それほど心配なのね。

「マキナ。あの子は言っていたでしょう？言わないんじゃなくて、言えないの。親が居なくて、苗字がわからないのよ。素性がよくわからないのは、美雲だって同じだし」

「それはそうだけど〜、」

「それにね、マキナ」

「……うん」

「あの子からは、感じるのよ」

「……うん」

「あの子なら、ワルキューレに相応しい。何かが、他の子と違うのよ」

「そうだね」

「だからね、マキナ」

「わかった、カナカナ。あの子なら、大丈夫だよね」

「ええ。認めてくれて、ありがとうね」

「ううん、今回は、マキマキの心配しすぎだったよ〜。ごめんね、カナカナ！」

「ふふっ、良いのよ。それほどワルキューレを思ってくれてるのよね。嬉しかったわ」

私がそう言うと、マキナは感動といった顔でカナカナ、と呟くと、にこりと笑った。

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