私の命で。【マクロスΔ】

【１９】 ページ28

Aside

「ねぇ！あなたの歌……とっても綺麗ね！」

聞き覚えのあるその声の主を見ると、そこには、あのカナメさんが居た。

「あなたの歌、ちくちく、気持ちよかった」

続いて聞こえた声の主は、レイナさん。

「とってもきゃわわ〜な歌だったよ！」

マキナさん。

「魂を感じる、美しい歌だったわ」

美雲さん。

「ぶっちゃごりっごりな歌だったんよ！ルンがぴっかーってなるぐらい！」

フレイアさん。

そこには、紛れもない、ワルキューレが居た。

驚いて何も言えずにいると、美雲さんが口を開いた。

「ねぇ、あなた、ワルキューレになるつもりはない？」

「へっ？」

驚いて、まぬけな声を出したのは私。
しかし、驚いた顔をしたのは、リアンちゃんとワルキューレも同じだった。
だけど、私以外のみんなは、すぐにぱぁっと顔を明るくし、うんうん、と頷いた。

「すぐにメンバーになるのは難しいけど、オーディションを受けてみることなら……」

カナメさんは、ね？と言いながら、賛同を求めるように、ワルキューレに向けて、ウインクをした。

ワルキューレのメンバーは、頷き方に個性はあるものの、みんな同意していた。
何故か、ワルキューレのメンバーではないリアンちゃんも、こくこくと頷いていた。

私は頭が追い付かず、口をぽかんと開けていると、カナメさんが言った。

「あぁ、勝手に進めてしまってごめんなさいね。あなたが嫌なら、断ってくれて構わないのよ？」

嫌なわけ、ない。少し驚いてしまっただけ。
こんなに大きなチャンスが回ってくるなんて。

「やり、ます。オーディション、受けさせてください！」

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