私の命で。【マクロスΔ】

【１６】 ページ25

Aside

「っは、はぁ、はぁ」

身体を起こしてみると、長時間息を止めていたような感覚があった。

まだ、夜か。
『あの事件』の夢なんて、見せてくれなくて良かったのに。もう少し、早く夢から覚めたかった。

でも、そうか。
夢を見たことで、思い出した。

私、ヒトゴロシ同然なんだって。

ヒトゴロシが、幸せになって良いわけがない。

それで、この先の人生は不幸のまま生き続けようと、そう思って。

幸せを避けて、生きて。

でも、やっぱり辛くて。

そんな時に聴こえたのが、ワルキューレの曲だった。

その時から、ヒトゴロシなら、償いたい。私も、歌で、誰かを救いたいって思って。
それで、ワルキューレを目指すようになったんだ。

だけど、やっぱり、ヒトゴロシが幸せになって良いとは思えないから、さっきリアンちゃんと話している時に感じた、『幸せかもしれない』については、あまり考えない方が良いだろう。

……頑張ろう。私は、償うんだ。

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