私の命で。【マクロスΔ】

【１１】 ページ19

Aside

「そーだったの？ざんねーん。」

リアンちゃんは、私が嘘を吐いたことに気付かず、素直な反応をした。
続けて、こう言った。

「あのオーディションは、ごうかくしたひと、いなかったよね？もし、Aちゃんがオーディションうけてたら、Aちゃんが6にんめのワルキューレだったかもね！」

「そう、だね。でも、私に、あのワルキューレに入れるぐらいの歌の上手さはないかもしれないから、受けても受けなくても変わらなかったかも」

私がそう言うと、リアンちゃんは、うーん、と悩む仕草をしてから、こう言った。

「リアンは、Aちゃんのうたごえがはいった、ワルキューレのうたもきいてみたかったかな」

この子は、多分いい子なんだろうな。今頃、この子の親も、リアンちゃんにきっと会いたがっているであろう。
そう感じ、少し頬が緩んだ口で、私はこう言った。

「期待されちゃってるなー。もしかしたら、リアンちゃんをガッカリさせちゃうかもよ？」

「リアンにはわかるよっ！Aちゃん、たっくさんがんばったんでしょ？」

同じく、リアンちゃんも微笑みながらそう言い、こう続けた。

「だってね、リアンだったら、たくさんがんばるもん。リアンとAちゃんは、にてるから、きっとAちゃんもそうなんでしょ？
しかも、Aちゃんはリアンがおもってるよりも、ずっとたくさんがんばったとおもう。だって、Aちゃんだからね！」

そうか。ずっと感じていた、リアンちゃんが誰かに似ているって感覚。それの正体は、私だったのか。

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