Family ～sho hirano～ (ページ9)

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試練ページ9

車を少し飛ばして急いで帰ってきた俺。

鍵を開けて異変に気付いた。

部屋の電気はついていないし、おまけにいつもなら
“おかえり”と笑顔で迎えてくれるAがいない。

紫耀『A！どこにいるの？』

リビングにはいない。

急いで家中を探し回る。

お風呂場にもいない…まだ見てない場所は…寝室！

急いで寝室に向かうと…

『ッ…はっ…んー、ぐっ…』

Aが床でお腹を抱えて倒れていた。

急いで駆け寄って抱き上げる

紫耀『A！今救急車呼ぶからね！！！』

紫耀の焦った声が聞こえる…

痛くて苦しくて、返事を返すことができない。

抱きしめてお腹をさすってくれる紫耀。

さすってくるだけでも痛みが少し楽になるような気がした。

救急車が来るまで、

『大丈夫大丈夫。』

『頑張ってるね。』

『痛いね。もう少しの我慢だからね。』

そう声をかけてくれる。

さっきまで痛みでぼーっとしていた頭が紫耀のお陰ではっきりとしてきた。

しかし、この後さらに二人に試練が襲いかかることを知らずに。

長い戦いになるとは誰も知るよしもなかった。