Family ～sho hirano～ (ページ3)

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優れぬ体調ページ3

紫耀は舞台やらテレビやらで最近家にいることがめっきり減った。

それに対するかのように私は悪阻が悪化してベットかトイレにいるという生活を送っている。

『ゔっ…きもちわるい…』

朝からこんな状態。

トイレに駆け込んで何時間経っただろう…

いくら吐いても吐き気は収まらない。

紫耀は朝起きたときいなかったし昨日も何時に帰って来たのかもわからない。

本当はそばにいて欲しいけど…

わがままは言ってはいけないから我慢。

時計はただいま夜の10時を指している。

この時間に帰ってこないということはまだ仕事が終わってないってことか…

『しょ…お…』

吐きすぎて喉を壊してしまったのか声が出にくい。

名前は呼んでみるものの…勿論その相手は家にいないから返事は返ってこない。

““ガチャ””

玄関の方から物音が聞こえた

泥棒だったら？

不審者だったら？

そうは思っても体に力が入らない…

『しょ…お…こゎ…ぃ…』

あまりの怖さにブルブルと震えていると…

『A…もう怖くないよ？驚かせちゃったね。ごめんね？…悪阻辛いね…』

その言葉と同時に後ろから抱きしめられた

この温もり…この匂いは…紛れもなく私が会いたかった人。

紫耀だ。

紫耀『最近、帰りが遅くてごめんね？』

私の前髪をかき上げながら申し訳なさそうな顔をしてこちらを見てくる。

『だぃ…じょぶ…』

そうは言うけど

本当は…

“寂しかった”

私は素直じゃないから言えないけれど…

紫耀『寂しかったでしょ？』

紫耀には言わなくても分かってしまうんだ。

『ん…ちょっぴり…』

紫耀『1人で辛い思いさせちゃったね。トイレは寒いからリビング行ける？』

立ち上がろうとするけれど足に力が入らない。

紫耀『無理しないでいいよ。運んであげる。』

ヒョイっと私の体をお姫様抱っこしてリビングのソファーに寝かせてくれる。

凄く疲れてるのに私の為にここまでしてくれる紫耀は本当に優しい。ありがとう。

紫耀『また痩せた？なんか食べる？』

『いぃ…』

せっかく聞いてくれたのに申し訳ないけれど食べたら吐いてしまうから…

ごめんね。

紫耀『わかった。じゃあ頭撫でててあげるから寝な？…朝早いから起きたときいないかもしれないけど…寝るまで撫でててあげるから。』

『ん…』

優しい目で頭を撫でてくれる。

それが心地よくて…

夢の世界へと私は落ちていった。