完璧ダーリンさん。【 センラ 】

オムレツ ページ4

・


センラさんの作るご飯は本当に、ほんっっとうに美味しい。
この顔で！仕事もできて！性格も良くて！なんと料理もできちゃうんですよ！！ 欠点はたまにスベることくらいだと思います！！

基本的に定時で帰れる私がご飯を作るのだけど、こうやって私の方が帰るのが遅いときとかは、センラさんが作ってくれる。お互い助け合っている感じ、同棲っていいなぁとしみじみ思う。

｢わ！ おいしそう！オムレツですか？｣

コンソメスープと、ふわっとした何かが包まれてるであろう卵。きっと沢山の野菜がくるまれているだろうな。私の大好物だ。

｢そう！ オムレツ！ はよ着替えてき？｣

ニコニコ優しく笑ったセンラさんはどこまでもかっこいい。素晴らしいほどのスパダリ。寝室に入って急いで着替える。

｢いただきます｣

｢いただきまーす｣

二人揃って手を合わせて、オムレツを頬張る。おいしい、なんでこんなにも美味しいの……。

｢センラさんは今日も最強だった……｣

｢なに当たり前のこと言ってん｣

｢…………え？｣

｢なあその反応やめて？｣

話振ったのんそっちやん とわざとらしく泣き真似をしてみせた。追加です。センラさんはいじりがいがあります。イコール話しやすい。親しみやすい。天才ポイント追加です。

｢すみません、冗談です。いつもありがとうございます｣

笑いながらそう伝えると、満更でもないようにセンラさんは笑った。そのまま他愛のない話がつづく。

めんどくさい取引先の人の話とか、営業課の課長が面白い話とか、センラさんと仲良しの吉田さん(男)の書類の誤字がおかしかった話とか。
笑いの耐えない空間で、センラさんが口を開いた。

｢来月から新入社員が入ってくるな｣

｢あー、そうですね。もうそんな時期……｣

来月といえば4月。新入社員が入ってくる。4月から3年目の私は、教育係になるはずだが……残念ながら受付嬢は今のところ私含め2人で間に合っているので新入社員は募集されていない。

｢私、多分めちゃめちゃ舐められる……｣

｢確かに。ちょっとお前は優しすぎなんかもな｣

センラさんは4月から4年目。1年先輩だ。歳は3歳年上だ。大先輩。
直接指導する人がいないとしても、受付はそれなりに社員との関わりがあるので、指導する場面もまあそれなりにあるだろう。


空になったお皿をシンクに置きながら、不安を胸に募らせた。


・

あまい朝→←天才彼氏

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す