お話 ページ29
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「すみませ、私、」
まさか見つかるなんて思っていなかったし、こうやって私を探し回ってくれていることも知らなかった。本当に私は自分勝手だなと不甲斐なさに潰されそうになった。
涙を流す私を見て、困った顔をしながらセンラさんは涙を拭ってくれた。それでもまだ溢れ出る涙。そんな私の左手にハンカチを握らせて、右手をギュッと繋がれる。
「俺も言いたいことあるし、Aも言いたいことあるやろうけど話は家に帰ってから。ほら、帰ろ」
ポン と頭を優しく1回撫でてくれ、そのまま私の手を引くように歩き出した。それを追うように少し後ろを歩く。その大きな手が、こんな状況でありながらも凄く安心してしまう。思わずギュッと握り返すと、驚いた表情をしたセンラさんが少し前の方に見えた。
特に何も話さずに帰路につき、センラさんが家の鍵を開ける。そのまま私に、入るように言ってから、自分も入った。カチャン と鍵が閉まる音を背で聞きながら奥へと足を進める。
「ソファ座ろっか」
後ろからセンラさんの声が聞こえてきて、それに小さく頷いてソファに浅く腰かける。その隣にセンラさんも腰掛け、また沈黙が続いた。
(どうしよう、言いたいこと纏まってないし、きっと八つ当たりしちゃう)
私の心はずっとザワザワとしていて落ち着かない。ずっと靄のようなものが頭にはこびりついていて、まともに話せるかどうかもわからない状態だ。
「ごめん、A」
そんな言葉が小さく聞こえてきて、そのまま視線が交わった。
「でもな話くらいは聞いて欲しい。お願い」
彼らしくない、縋るような、余裕の無いような。そんな声が聞こえてきて私は返事をしないで、ただじっと彼のことを見つめた。
そして、今までの事を振り返るみたいにぽつり ぽつりと話し始めた。
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すずらん(プロフ) - 気まぐれさんさん» 1年前から読んでいて下さりありがとうございます(;;) 他の作品まで! 嬉しいです!!(;;) とても励みになります、ありがとうございました◎ (2021年7月17日 1時) (レス) id: 21d573643c (このIDを非表示/違反報告)
すずらん(プロフ) - さくらさん» ありがとうございます(;;) 必ず完結させるつもりですので、待っていてもらえるととても喜びます◎ (2021年7月17日 1時) (レス) id: 21d573643c (このIDを非表示/違反報告)
すずらん(プロフ) - 雨宮しおりさん» 1年前から読んでいて下さりありがとうございます!!(;;) 私よりも遥かに文章力のある方に褒めて頂けてにやけてしまいました。雨宮しおり様も執筆活動の方頑張ってください!(*^^*) (2021年7月17日 1時) (レス) id: 21d573643c (このIDを非表示/違反報告)
すずらん(プロフ) - るなさん» ありがとうございます!(;;) 大好き、応援してる、等すべて励みになります! 更新が遅いにも関わらず、待っていていただきありがとうございました! (2021年7月17日 1時) (レス) id: 21d573643c (このIDを非表示/違反報告)
気まぐれさん(プロフ) - 一年前から読ませてもらってます!!すずらんさんの他の作品も好きなので楽しみに待ってました!!続きのお話しどうなるんだろうと不安に思いつつ、楽しみに待っていたのでまた更新されて嬉しいです!!作者様のペースで無理せず頑張ってください!! (2021年6月22日 6時) (レス) id: 29504c3438 (このIDを非表示/違反報告)
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