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帰り道は、いつもとあんまり変わらなかった。
志麻くんは自分の超絶高いコミュ力とトーク力で、今日もおもしろく話をしている。
私はこれから言われることばっかり考えて、勝手に恥ずかしくなって、緊張して、上の空だ。
途中で通る公園の前で止まった志麻くんは、｢ここ寄ってこ？｣とニカッと笑った。黙って頷けば、私の手を引いてブランコの前まで来た。
｢俺な、ここでAと初めて会った｣
｢…………え？｣
私の中での志麻くんとの出会いは、高校2年生のときの春だ。前からやんちゃしている噂は聞いていて、名前と顔は知っていたけど、顔を合わせたのは4月のはず。話すことは無かったけど。彼と初めて話したのは、夏の保健室。
｢中3のときな、俺が途中で学校抜け出してここにおっときに、センラが声掛けてくれてん｣
ブランコに腰掛けながら、懐かしむように目を閉じた。彼の瞼の裏には、どんな景色が見えているのだろうか。そのときの記憶が映っているのかな。
｢で、今の高校を受験しろって勧めてくれて、その話の途中でAが来た。センラを迎えに｣
｢…………もしかして、お昼くらいだったりする？｣
｢うん、その通り｣
｢……あのときの！！ え！ 志麻くんだったの！？｣
顔はあまり覚えていないが、イケメンとセンラが話していたことは覚えている。目が合って、ちょっとした会釈をし合ったような。
｢あのとき、なんかお前の顔と匂いが忘れられへんかってん。めっちゃ惹かれたんは確かや。今思ったら、あのときから好きやったんかもしれへん｣
あまりにも衝撃的で、何も言えないでいた。なんだか力も抜けてきて、志麻くんの隣のブランコに腰掛ける。
｢そんなの、知らなかったよ｣
｢うん。言ってへん｣
やから、今から全部言わせて。
そう言い終わってすぐに立ち上がった志麻くんは、私の腕を引っ張ってそのまま腕の中に閉じ込めた。
志麻くんの甘い柔軟剤の香りに包まれる。腕が背中に回ってきて、
｢好きやで。大好き｣
蕩けるくらい甘い言葉。
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もちち(プロフ) - コメント失礼します。他サイトにてこちらの作品と同じ題名、同じ内容の小説を発見致しました。何回も見返したのですがやはり文章も同じで気になったのでコメントさせて頂きました。プリ小説というサイトで連載はされていますか、？ (2023年4月18日 0時) (
レス) id: 65f0ff2c55 (このIDを非表示/違反報告)
LiLi Ka(プロフ) - すっっっごく面白くて！大好きです！一気読みしちゃいましたw (2020年5月24日 16時) (レス) id: ef0b88e85e (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - 完結おめでとうございます！この作品が好きすぎてもう何回も何回も見直しています！ 最後ら辺は、子を見守る母のような気持ちになりました（笑）ほんとにお疲れ様です！ (2020年5月7日 16時) (レス) id: aa4022e14b (このIDを非表示/違反報告)
ひより(プロフ) - 完結おめでとうございます！この話の二人が永遠に見てたいくらい好きなのでこの2人のその後みたいな話短編集とかで欲しいです、、 (2020年4月2日 0時) (レス) id: 4f83e9d9b1 (このIDを非表示/違反報告)
七つ子(プロフ) - お疲れ様でした！この作品は私にとって、お気に入りの中のお気に入りでした！新作も読みます！ありがとうございました！ (2020年4月2日 0時) (レス) id: e81a79aa4e (このIDを非表示/違反報告)
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