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プルルル とコール音が響いた。
男が志麻くんに電話をかけている。その事実だけで更に震えが止まらなくなって、涙が溢れ出てきそうになる。
どうか、どうか電話に出ないで
しかし、神様は意地悪みたいだ。
『………………はい？』
何ヶ月も聞いていなかった志麻くんの声が、耳を激しく揺らした。
｢志麻くんっ、俺らと遊ぶ気になった？｣
『もうちょい待てって言うてるやろ。約束とちゃうやん』
怒りを含んだ低い声。こんな声の彼と話したことは1度もない。まるで、別人みたい。
｢でも待つ理由ってさぁ、お前が骨折ったからっしょ？ そんな個人的な理由で俺らが黙って犬みたいに待つ意味無いよね？｣
『……黙れや。うっさいねん』
骨折。その言葉を聞いたとき、ぞわりと鳥肌がたった。
きっと今まで喧嘩三昧だったのだろう。でも、骨折だなんて。それに、そんな状態の彼をここに連れてこようとする男の神経も疑う。
｢そんなことも言ってられないよ。助けを求めているカワイイ子だっているんだから！……ほら、喋れよ｣
視線の先には私。そのポケットサイズの電子機器をこちらに向けてくる。
骨折した志麻くんをここに連れてくる訳には行かない。彼がここに来なければ、この男達もきっと痺れを切らして私を解放するだろう。
もちろんこんなどこかもわからない場所に閉じ込められるのは怖くて仕方がないけど、彼に迷惑をかけることの方がよっぽど怖くて、首を横に振った。
｢イヤじゃなくて、喋るんだよ。ちょっと痛くするよ｣
その言葉の後に襲ったのは激痛。
男が私の太ももを叩いた。シンプルな悲鳴が喉から嫌でも出てきて、それをマイクが受け取る。
『……A？A！？ おい、どこおんねん！』
私の名前を呼んだ。
こんな状況であるのに、彼が私の名前を呼ぶだけで緊張の糸がプツリと解けた。やはり、志麻くんはすごい。
｢たす、けて、志麻くん｣
今までの強がりなんて、どこかへ飛んでいってしまって。彼にすがりつくように声を出しただけだった。
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もちち(プロフ) - コメント失礼します。他サイトにてこちらの作品と同じ題名、同じ内容の小説を発見致しました。何回も見返したのですがやはり文章も同じで気になったのでコメントさせて頂きました。プリ小説というサイトで連載はされていますか、？ (2023年4月18日 0時) (
レス) id: 65f0ff2c55 (このIDを非表示/違反報告)
LiLi Ka(プロフ) - すっっっごく面白くて！大好きです！一気読みしちゃいましたw (2020年5月24日 16時) (レス) id: ef0b88e85e (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - 完結おめでとうございます！この作品が好きすぎてもう何回も何回も見直しています！ 最後ら辺は、子を見守る母のような気持ちになりました（笑）ほんとにお疲れ様です！ (2020年5月7日 16時) (レス) id: aa4022e14b (このIDを非表示/違反報告)
ひより(プロフ) - 完結おめでとうございます！この話の二人が永遠に見てたいくらい好きなのでこの2人のその後みたいな話短編集とかで欲しいです、、 (2020年4月2日 0時) (レス) id: 4f83e9d9b1 (このIDを非表示/違反報告)
七つ子(プロフ) - お疲れ様でした！この作品は私にとって、お気に入りの中のお気に入りでした！新作も読みます！ありがとうございました！ (2020年4月2日 0時) (レス) id: e81a79aa4e (このIDを非表示/違反報告)
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