40 ページ40
・
「あー……おわった……」
早いことに1週間がすぎ、追試も終えることが出来た。
普段なら余裕で解けるような問題だったので、すぐに終えることができた。
「早いね、おつかれさま。あなたが追試とか珍しすぎるわねほんとに」
くすくすと笑いながら、先生は丸つけをしていく。ペンと紙が擦れるような心地い音を聴きながら大きな伸びをした。
……志麻くんと話さなくなって1週間がたった ってことだよね。
まだ、あの時よりはショックは薄れてきたけど、彼のことを考えてない日なんて無い。一緒に帰ったり、遊んだり。思い出を振り返れば懐かしくて頬は緩む。それと同時に胸を締め付けられる。泣きそうになる。
「はい、満点。帰っていいよ」
考え事をしていたら、もう終わっていたみたいだ。お礼を言いつつ鞄に筆箱、プリントを詰め込んでいく。
「あ！A、おった！」
教室のドア辺りから声が聞こえてきて、振り返ればそこにはセンラがいた。
なんだか最近気まずくて、勝手に避けちゃってたんだよね。とても、申し訳ないと思っている。
「センラ、久しぶりだね」
「まあお前が俺に会いたくなさそうやったからなあ、あんま話しかけんことにしてた」
「いやっ……ごめんねそれは」
「ふふ、冗談やって」
彼に避けていたことがバレていたみたい。……本当にごめんなさい！
自分が嫌だと思っていたことが、相手にも伝われば、私以上に嫌な思いをしてしまうだろう。人の気持ちも考えないとな と1人で反省会を開く。
私達の会話を、先生がニヤニヤしながら聞いていることに気づいたが、話を遮ることにもいかなかったので、知らないふりをしておくことにした。
「志麻くん、今学校におる」
「……え？」
一瞬 頭が真っ白になった。
嘘。志麻くんが、すぐ近くにいるの？鼓動が早くなっていることが分かる。
「屋上。多分、もう当分学校には来おへんと思う。今しかないよ、A」
座っている私の腕を引っ張って椅子から無理矢理立たせると、にっこりと笑った。
「ありがとう。センラは、志麻くんと話した？」
「うん。ちょっとだけ」
傷が多いのは、今は気にせんといたってな。と訛った声と共に背中を押された。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1533人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆき*°。 - うわあああまーしぃかっこよすぎる！！久々に読ませていただきました。ほんと感動でなんかもう、うわーって感じです(伝われ())素晴らしい(´`*) (2020年3月9日 22時) (
レス) id: 41e3e67230 (このIDを非表示/違反報告)
しらす - いやいやいやいや。もうまーしぃなら不良でも何でもいいわ()もはや蹴ってほし(((((( (2019年4月21日 0時) (レス) id: f34e486c2f (このIDを非表示/違反報告)
龍音(プロフ) - 志麻くんイケメンすぎです……！続編楽しみにしてます！ (2019年3月18日 22時) (レス) id: c3c5009fef (このIDを非表示/違反報告)
スイ(さぶ)(プロフ) - ぎゃふん(( すみません() ラスト予想外すぎて驚きました！続編楽しみにしてます！ (2019年3月16日 20時) (レス) id: 4d56317c6f (このIDを非表示/違反報告)
真姫奈〈MAKINA〉(プロフ) - コメント失礼します！まず、受験合格おめでとうございます！！自分は試験がまだなので緊張しまくりです…←(どうでもいい)小説、いつも楽しく見させて頂いております！次のお話も楽しみにしてます！ (2019年2月12日 21時) (レス) id: 57f24bb479 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
