36 ページ36
・
昨日のことが引っかかったままも、もちろん時間は進んで行った。
いつも通りの時間に起きて、お母さんと談笑しながら身支度をしていつも通り家を出た。
(……昨日から志麻くんから返信が無いんだよなぁ)
志麻くんにメッセージを送れば1時間以内には絶対に返ってくるし、話題が終わっても次は違う話題を振ってくれ、ずっと連絡は続いたままだった。
『今日は奢ってくれて本当にありがとう！また機会があれば食べに行こうね』と送ったらメッセージにはまだ既読のマークが無い。
……なんて考えているうちに校門の前だ。靴箱へ向かい上履きを履き、そのまま2年生の2階まで階段を上がる。
ちらちらと人は来ていて、おはよー と数人と挨拶をしながら自分の席へと向かう。
鞄を置いてからいつもの友達の元へ向かった。
「おはよー」
「Aおはよ、珍しく遅いじゃん」
携帯でSNSを見ていた彼女が、優しく笑いかけてくれる。
時計を確認すればもう予鈴5分前で。時間はいつも通りだったので、歩くのがいつもよりもゆっくりだったことが分かる。……まあ、ずっと志麻くんのことでもやもやしてたからなんだけど。
「ねえ、今日の世界史の勉強した？小テストの！」
「……あ、やってない」
「うわ仲間じゃん！一緒にやろー！」
今はいっぱい笑ってくれる友達のおかげで気が楽だ。彼女と一緒に世界史の教科書を見た。
「あの〜、AAチャン、ちょーっといいかな？」
声がした方を振り返れば、ピアスを数個付けたようなチャラチャラした男子。
……志麻くんと同じグループだったような気がする。
「……どうしました？」
「いや、志麻からの伝言的な？ちょっとこっち来て」
ちょいちょい、と軽いノリで手招きをする彼は、なんとなく志麻くんとテンションが似ている気がする。怖い人では無さそうだ。
志麻くんと絡み出してから、前ほどには不良が怖いとは思わない。進歩、なのかな。
教室の端まで歩いたところで、彼は口を開く。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1533人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆき*°。 - うわあああまーしぃかっこよすぎる！！久々に読ませていただきました。ほんと感動でなんかもう、うわーって感じです(伝われ())素晴らしい(´`*) (2020年3月9日 22時) (
レス) id: 41e3e67230 (このIDを非表示/違反報告)
しらす - いやいやいやいや。もうまーしぃなら不良でも何でもいいわ()もはや蹴ってほし(((((( (2019年4月21日 0時) (レス) id: f34e486c2f (このIDを非表示/違反報告)
龍音(プロフ) - 志麻くんイケメンすぎです……！続編楽しみにしてます！ (2019年3月18日 22時) (レス) id: c3c5009fef (このIDを非表示/違反報告)
スイ(さぶ)(プロフ) - ぎゃふん(( すみません() ラスト予想外すぎて驚きました！続編楽しみにしてます！ (2019年3月16日 20時) (レス) id: 4d56317c6f (このIDを非表示/違反報告)
真姫奈〈MAKINA〉(プロフ) - コメント失礼します！まず、受験合格おめでとうございます！！自分は試験がまだなので緊張しまくりです…←(どうでもいい)小説、いつも楽しく見させて頂いております！次のお話も楽しみにしてます！ (2019年2月12日 21時) (レス) id: 57f24bb479 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
