不良系男子注意報 【 志麻 】

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……志麻くん、今何しました？
唇に柔らかい感覚があった。



段々と理解していき、みるみるうちに顔が熱くなっていく。絶対いま顔赤い。



「A熱上がってくるかもやからとりあえず寝とき。ほら手握っといたるから！」




子供体温な彼の温もりが伝わってくる。夏の暑さでもっとあったかい。クーラーが効きすぎている保健室に、この体温は丁度良い。そして心地良い。




……さっき、キスしたことなんて無かったかの様に、平然としている志麻くんは何を考えているのか分からない。



何ももう考えない。そう言い聞かせて目を閉じた。




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「…………は？」



目が覚めると、保健室ではなく、自分の家にいた。見覚えのあるいつものベッドの上に横になっている自分を疑問に思った。



まだ微妙に痛む頭から、熱は下がっていないのだと悟る。



『 寝てたからおぶってきた。勝手にかばん漁って鍵とったで。ごめんなー 』



そんなメッセージがLINEできていた。



「……何回目のおんぶだろ……」



申し訳なさや恥ずかしさでなんだか頭がパンクしそう。出てきたのは苦笑いだけだった。



無愛想に見えるこの文面だって、なんだか愛しく感じられる。


……。


( まって……なにこれ )



今更唇の感覚を思い出す。思わず自分の唇にそっと触る。



『 A〜、おはよ 』


『 もっと親しく行こうや！A！』


『 ほら、俺の膝の上空いてるやん？ 』


『 間に合って、良かった 』



志麻くんの言葉、全部全部が愛しく感じられるのって、



今まで頑なに認めたくなかった事実。



私、



「すき、です。志麻くん」





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