救世主 ページ2
後ろから声がした。
振り向くと、そこには小柄な女子生徒が。
フワフワな猫っ毛に大きな目。白い肌。
……可愛い。
いや、そんな場合ちゃう!人だ!助かった!!
赤「あ!えっと…」
『あ!!』
女子生徒が俺の上履きを見て小さく叫んだ。
『キミ、上履きが青ってことは1年生でしょ!もう入学式だよ?みんな体育館だよ?体育館とここ、全然違うじゃん!なんでこんなところに?トイレ行ってたの?遅れちゃうよ?』
マシンガントークをしていた女子生徒が『それとも…』と眉を顰めた。
『まさか…迷子、とか?』
なんか…図星だと人間って黙るんやな。
なんも言えねえ。認めるのなんか悔しいし。
それでも背に腹は変えられない。
渋々頷くと、女子生徒は困ったように笑った。
『そうだったんだ。私が見つけられて良かった。キミ、名前は?』
赤「重岡です…」
『じゃあ、』と腕を掴まれる。
赤「えっ」
『今ならまだ開式に間に合う!走るよ!しげくん!!』
女子生徒の上履きは赤。3年生だった。
2人で体育館へと続く渡り廊下を駆け抜ける。
.
結局開式にはギリギリ間に合った。
まぁ、生徒は全員席についてたから体育館に入った時にちょっと変な空気になったけど。
女子生徒…もとい、先輩は生徒会席に座ってこっちに向かって小さくピースしてた。
口パクで『滑り込みセーフ!』とも。
……あの人生徒会だったんや。
先輩の隣に座ってる明太子みたいなやつにめっちゃ睨まれた。なんやねん。誰やねん。
.
放課後に、遅刻しそうになったことを先生に説教されて帰るのがちょっと遅くなってしまった。
校門をくぐったところで後ろから肩を叩かれた。
『あ!やっぱりキミだー!』
赤「あ…さっきはありがとうございました。」
そこにいたのは先輩……と、明太子やった。
黄「お前、初日から遅刻したん?」
『遅刻じゃないよ。ギリギリセーフだったもん!』
黄「同じようなもんや。」
『全然違うよ!』
テンポよく言い合う2人。
なんか…胸がモヤモヤする。
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作者名:鈴餅.。 | 作成日時:2018年4月11日 20時