彼と一緒に生きたい (ページ10)

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9 加藤ページ10

大貴 side

山田と知念、早く戻って来ないかなぁ。

近くにあった折り紙を折っていると、何人かが俺のそばに来た。

確か……あ、加藤たちだ。あんまり喋ったことないけど。

加藤「薮、ちょっといいか？」

大貴「え？うん」

そのまま連れてこられたのは、なぜか体育館の倉庫。

大貴「何するの？荷物運び？」

「うわ、薮って本当バカだな」

大貴「ﾑｯなんだよバカって」

「お前さ、結構可愛い顔してるよな」

大貴「え？」

なんで急に褒められたの？

「それに、こんな露出の多い服着ちゃってさ」

いや、女装なんだからそりゃ着るでしょ。

大貴「なんだよ。つまり何が言いたいの？」

「……一発やらせろよ」

大貴「やる……？」

やるって……まさか、喧嘩？

大貴「や、やだ！そんなことしたことないし！」

「大丈夫だよ。大人しくしてりゃ、優しくすっから」

大貴「優しい喧嘩って何！？」

「は？喧嘩？」

加藤「……あー、そういうことか。お前、マジで何も知らねぇんだな」

すると加藤は、俺に詰め寄ってきた。

思わず後ずさると、壁。逃げ場がない。

え、俺、殴られるの？なんで？やだやだ！

加藤「やるっていうのは、こういうことだよ？」

加藤は、俺の太ももに手を滑らせた。

……え？なに？