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5 好きな人 ページ6

山田 side



俺のクラスメイトで親友の、大ちゃん。


いつも明るく笑顔で、素直で純粋。


大ちゃんがこんなに無垢に育ったのは、間違いなくお兄さんたちの影響だ。



大ちゃんのお兄さんたちは、大ちゃんにとにかく過保護。


前に大ちゃんから聞いたんだけど、大ちゃんは恋愛をしたことがないんだって。


女子と話そうとすると、タイミングよくお兄さんたちが来るとか。


絶対狙ってるんだろうけど、疑うことすら知らない大ちゃんは、偶然が重なってるだけだと思ってるらしい。


すごいよね、ここまで素直だと。



そんな大ちゃんだから、俺は気持ちを伝えられずにいる。


可愛くて、素直で、いつも優しい大ちゃん。


性別の壁なんか超えて、俺は大ちゃんを本気で好きになっていた。



だけど、さっき書いた通り、大ちゃんは恋愛を知らないし、お兄さんたちはそれを許さない。


その相手が男で、しかも親友だなんて、許されるわけが無い。


同性愛ってことだけで許さない人もいるだろう。


だから俺は、この気持ちを隠している。この先もきっと、誰かに話すことは無いだろう。



伝えられなくてもいいから。叶わなくてもいいから。



せめて、好きでいさせて。片思いくらいさせて。

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作者名:すず | 作成日時:2020年11月3日 11時

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