Prince 224 ページ29
side A
「なんでスマホばっかり見るのかな…涼太くん」
そう言い始めたら、止まらなくて。
「私がさっき言ったことが涼太くんを不快にさせたなら、謝るよ。…だからさ、スマホしまってもらえない、かな。」
「…不快になんて、なってねえよ。」
「え…?」
「そっち行ってもいい?」
向かい合わせに座ってたけど、
…ほんとは私は隣同士がよかったから頷く。
すると涼太くんは私の隣に移動。
少し、観覧車が揺れた。
「俺、だいぶ限界なんだけど…」
「どういうこと?」
「スマホ見てねえと、意識しすぎてやべえの。」
耳、赤く染めて、
口元を手の甲で隠す。
…その顔、もっと見たいよ。
照れてる顔も、全部全部、私は大好きだから。
そっと涼太くんの手首に触れて、
その手を下ろさせた。
そしたら涼太くんとがっつり目が合う。
言葉を発しようとしたら、何故か抱きしめられた。
「…好き」
そう耳元で呟かれる。
「うん。私も。」
何だか泣きそうになった。
涼太くんといると、たまに意味もなく泣きそうになる。
「ごめん…俺さ、龍友くん達が羨ましいって思うことあって、で、その…」
「うん。わかってる。」
「…余裕がなくて、ごめん」
「涼太くんは完璧人間じゃないんだから、いいんだよ。謝らなくて。」
「ありがと」
「うん」
そう言うと体を少し離す。
向き合って、微笑みあって、
ちらっと私達より先を行く観覧車を見ると…
「あ、」
「ん?」
涼太くんの予想通り。
もう、ほんとにラブラブなんだから。
…私だってそういうの憧れはするんだけどな。
でも、自分からはやっぱり言えない。
そうこうしているうちに、
そろそろてっぺんに辿り着くところまで来た。
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すず(プロフ) - miichiさん» ありがとうございます!ぜひ続編の方も書かせて頂こうと思います(^^) (2017年10月2日 13時) (レス) id: 6e6aeaf210 (このIDを非表示/違反報告)
miichi(プロフ) - 面白かったです!続きが気になるので続編希望です!楽しみに待ってます^^ (2017年10月2日 10時) (レス) id: f3f1046bda (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - miki→(EXILEさん» ありがとうございます!ぜひ!占ツクで機会がありましたら書かせて頂きますね(^^) (2017年9月30日 18時) (レス) id: d2dd238957 (このIDを非表示/違反報告)
miki→(EXILE(プロフ) - すごく面白かったです!出来れば占ツクでも続編を…… (2017年9月30日 9時) (レス) id: b46e7e6aae (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - ついんたわーさん» 良かったです(^^) ご意見もありがとうございます♪ ぜひ引き続きよろしくお願い致します! (2017年9月29日 17時) (レス) id: b83b282177 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すず | 作成日時:2017年9月3日 20時