Prince 93 ページ44
side A
「凄かったねえ〜」
「ほんとにね!片寄王子やばかった〜」
「すっごいかっこよかった!!」
…もう、喋ってる暇あったら楽器運んでよね。
1年生たちはまだ余韻に浸ってる。
試合はもう終わったのに。
涼太くんはフィールドで、取材を受けていて、
全国大会常連校を破った次のエース?みたいな感じで、
カメラに囲まれていた。
インタビューらしきものに笑顔で答える姿は、
まさに王子。
仮面かぶってますねえ相変わらず。
そんな涼太くんを横目で見て、
私は大きな楽器たちを先輩方と運び始めた。
・
今日の試合はこれだけで終了で、
明日もう1試合あるらしい。
私達も一旦ホテルに帰って、すぐにご飯。
またバイキング形式で、
私はアリサと吉野くんと同じテーブルで食べることになったけど、
涼太くんは…遠くの方で女子達に囲まれていた。
いつもみたいに嘘の笑顔を振りまいて、
なんか前みたいな日常に戻ったみたい。
さっきの通じ会えたような感じは、
まるで嘘だったのかな。
少しだけ沈んだ気持ちになっていると、
それを汲み取ったのか、アリサが私のお皿に唐揚げをそっとおすそ分け。
「…ありがとう」
「ん。彼女がいるってのに、片寄くんも片寄くんだよって、私は思うよ」
「まあ…涼太くんかっこいいし」
「先輩、大丈夫ですか…?」
「何、が…?」
わかってた。
もう自分で自分がどうなってるかわかってた。
「…もう限界です」
「え、吉野くん…」
「あら」
吉野くんに手を引かれて、
そのまま私達はバイキングの置いてある広間から出た。
だいぶ早歩きで、目に浮かんだ涙が、
夏の暑さと風で、すぐに乾いちゃいそう。
・
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すず(プロフ) - yui03224649さん» そう言って頂けると頑張れます(^^♪ 頑張ります! (2017年8月5日 12時) (レス) id: d2dd238957 (このIDを非表示/違反報告)
yui03224649(プロフ) - 続きがきになる〜笑更新頑張って下さい! (2017年8月4日 7時) (レス) id: a53142bd22 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - かれんさん» ありがとうございます!!(^^) 頑張ります! (2017年8月3日 20時) (レス) id: d2dd238957 (このIDを非表示/違反報告)
かれん(プロフ) - このお話大好きです!!これからも更新頑張ってください!!! (2017年8月3日 16時) (レス) id: cfa7ce9674 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - 片寄愛璃さん» はい(^^♪ いつもありがとうございます! (2017年7月31日 2時) (レス) id: d2dd238957 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すず | 作成日時:2017年7月14日 20時