嘘つきプリンス 《片寄涼太》

Prince 39 ページ39

side 涼太









いつだって人目を感じながら過ごして、

大人しく静かにいたい時でも感じる視線。


正直うんざりだし、

Aを彼女にしたのだって…


女達を騙すのはたしかに楽しい。

こんな俺に惚れてるなんて馬鹿らしい。

嘘で塗り固めた俺のことを好きだなんて。






だから隣にAを置くことで、

反応が変わったり、むしろ女子を寄せ付けなくすることが出来るんじゃないか…なんて思った。


女子を騙してキャーキャー言われるのは楽しいくせに、

女子に寄ってきて欲しくない気持ちがあるなんて、

ただの自己中心的で矛盾だらけの俺。





でも、盾として作った偽彼女も効果なし。


むしろ彼女がただ悪く言われてるだけで、

ついでに俺も悪く言われる。


別に俺が悪く言われるのは構わない。

けど彼女は俺に付き合ってくれてるだけなのに、

悪口を言われるのは気分が悪い。



彼女は素の俺を出せる特別な人。


好きとか、そんなんじゃなくて、

とにかく特別な人だから。




ひそひそ言ってる女子達にガツンと言いたくなったのは、多分今日が初めて。






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