嘘つきプリンス 《片寄涼太》

Prince 4 ページ4

side 涼太








部活前に少し龍友くんとおしゃべり。



…それも毎度のこと。




俺をまとってる王子キャラについての愚痴。



龍友くんと話す時は本当の俺になれるっていうか、


自然と口も悪くなるし性格の悪さも滲み出す。

というより、溢れ出す。





こんな様子、誰にも見られちゃいけない。



俺のことを好きな女子がこれ聞いちゃったら、


…楽しめなくなるもん。





こーんな大嘘つきの姿に騙されて、

キャーキャー言ったり騒いだり、

馬鹿らしいったらありゃしない。




そんな奴らのことを影で嘲笑う。


それが俺の軽い趣味。





今日もいつも通り色々吐き出して、

部活に向かうつもりだったのに。





不意に聞こえたんだ。


隣の教室の鍵を開ける音。

そして教室が開く音。そしてまた閉まる音。


鍵を閉めて、その後足音が聞こえなかった。





つまり、誰かが俺らの会話を聞いてた。





けど俺の直感で大した奴じゃないと思って、

龍友くんと愚痴を話し続けた。





でもなんとなく、

俺らの会話を聞く存在が気になって、

教室に入ってこいと言うと、

入ってきたのは小柄な女子。




正直見たことある気がしたけど

とりあえず知らないふりをした。




そしたら龍友くん、見たことあるなんて言うから…



何者だっけ、この子。









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