嘘つきプリンス 《片寄涼太》

Prince 26 ページ26

side A









放課後

部活でまさかの発表があった。







「今回吹奏楽部のコンクールとサッカー部の試合が珍しく被ってないということで！夏休みの地区大会の応援に行きます！」




顧問の先生が嬉しそうにそう言うと、

生徒達もわっと湧く。



…マジですか。




毎年サッカー部の応援したいねえ〜と言いながらも、私達の夏のコンクールと日にちが被ってて諦めざるを得なかった。



なのに今年は…


行けるだなんて。




片寄くん…じゃない、涼太くんが見れる。

彼が試合に出るのはもう決定的だし、

絶対に見れてしまう。





「A〜！良かったねっ！」





そう言って飛びついてくるアリサ。


いや…全然嬉しくないんだけど。







「先輩！バス隣に座りましょ！」

「ちょっと吉野くん何じゃましてんの！片寄くんとAが隣に決まってんでしょ！」

「サッカー部とバス同じなんですか？！」

「同じよ同じ！サッカー部が多少分裂するとは聞いたけど！」

「…最悪です」

「はいはい。吉野くん私と隣に決定ね。」

「ええ〜…？！」






吉野くんを無理やり引きずって、

アリサは私の前から立ち去っていった。



…なんだ、一瞬の嵐みたいな2人は。


それにしても…軽く憂鬱かもしれない。







・

Prince 27→←Prince 25

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す