嘘つきプリンス 《片寄涼太》

Prince 3 ページ3

side A









「失礼します…」





私、殺されますか？


怖いんですけど…





教室に足を踏み入れると、

目の前にはプリンス片寄くんと、

それを守るような存在感の龍友…さん？






「めっちゃ怯えとるやん」

「ねえ、龍友くん、こいつどうしようか」

「口止めしとった方がええやろ」

「…せやな」

「てか俺見たことあるで、この子」

「何、もしかしてファンの1人？」

「ちゃうやろ…いつもの軍団の中にはおらんで」

「あのさ、お前、もうちょいこっち来い」






手招きされて、

その姿はすっごいかっこよくて、

ちょろい私はすぐに片寄くんのそばへ。









「お前、俺のこと好き？」

「はっ？！」









背が高いからすっごい見下ろされる感じで

放たれたその言葉に私は思わず固まった。







…片寄くんってこういう人？



そもそもいつもの王子感とはかけ離れてるし、

口は悪い、性格も悪い、


…大嘘つきじゃない！！！！！









「ば、バカじゃないの！？」

「おお、急に強気になったで」

「自惚れるのも程々にしなさいよ！」

「あっそ、なら楽だわ、このことは黙っとけよ。それだけ。」

「いつもそのキャラ丸出しにしたら絶対モテなくなるのに…」





そう小声で呟くと、

耳がいいのか聞こえていたらしく、

片寄くんの眉間にシワが…








「あのなあ、わかるか？」

「何、…」

「楽しいんだよ。騙すのが笑」







急にドアップになったかと思えば、

そんな事を言い出すなんて…








思わず、本能的だった。




思いっきり片寄くんの頬をビンタした。









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