初恋サクラ《佐野玲於》 (ページ9)

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☆ ページ9

side A

「ねえやっぱりダンス部入らねえ？」

「いやあ～…私にはちょっと…」

「おもんねぇなあ～」

「ご、ごめん…」

職員室に入る練習のあと

始まったのは雑談。

…ずーっと聞かされてる佐野くんのダンス話。

小さい時から始めてて

ダンスに対する熱意は凄くって

なんか意外と熱血で

見直したっていうか

意外性に驚いて

うん。とにかく聞いてて飽きない。

こんなに楽しそうな人の顔

見てるだけで幸せになる。

…そしていつの間にか始まってたダンス部への勧誘。

でも私はお断り。

だってうちの学校のダンス部はすごいから。

本格的すぎて素人は絶対ついていけないし、

もし入ったとしても大会になんて出られない。

そもそも運動音痴な私にとって

体育会系の部活は論外過ぎる。

それに高校では部活に入らず

バイトに勤しむって決めてたし。

佐野くんには申し訳ないけど。

「ねえやっぱり入ろ…「ごめんなさい」

あ、不機嫌になった。

唇尖らせて、子供みたいにしてる。

つい可愛いって言いそうになって

ギリギリで抑えた。